最後はオハイオ州デイトンにあるアメリカ空軍博物館の機体。
が、この時は古いカメラ(LX-2)で撮影したため、ほとんどの写真が失敗、
とりあえず、比較的まともな、この写真だけ掲載しておきます。
が、ここでの展示の目玉はむしろコッチでしょう。
Me262に搭載された、50mm機関砲(笑)、ラインメタルBK-5。
50mmって初期の対戦車砲よりデカイ口径ですよ。
これをジェット機のMe262の機首に積んでしまったのがドイツ空軍の皆さんです。
(ただし展示の機体とは別の機体)
それが連射可能(ただし後で見るような条件でだが…)と来たもんだ。
それなりの長さの銃身ですから、破壊力もあるでしょう、これ。
さすがにアメリカの重爆相手でも、やりすぎやろ、
と思ったら、ゲーリングによると、これは対地攻撃、対戦車用だったらしい。
…高速だけが売りのMe262に対地攻撃やらせますか…
ただし、実際は対爆撃機用だった、という話もあり、ここら当たりも謎の部分が多いです。
Me410に積まれたのは、対爆撃機用に投入されたと言われてますしね。
この機関砲は、Me262-1a/U4
に搭載されたんですが、
Me262の場合、鼻っ面に積んでしまったため、
なんだかチベットの山奥で特殊進化してしまったユニコーンみたいな妙なスタイルに。
そんなステキな50mm機関砲を積んだMe-262 1a/U4の2号機が
後に米軍に鹵獲され、多くの写真が残っています。
(機体左面にWilmagとV083、右側にV803の文字がある機体)
で、その機体に搭載されていたのが、展示のBK-5機関砲らしいんですね。
だから?というと、世の中に出回っているMe262の解説本では、
1a/U4に搭載されたのは同じ50mm機関砲でも、
より高性能なマウザー社のMK214としているのが普通だったりします。
これは日本語の資料としては決定版と言っていい
「世界の傑作機」のNo.115、Me262でも同じ。
英語圏の資料でも、ちょっと古いのは大抵そうですね。
が、実機そのものを持って帰って分解しちゃった米軍さんが、
「ご覧のように、あれはBK-5でしたよ、奥様」
と言ってるわけでして、実際に詰まれていたのはどうもBK-5だと思われます。
英語圏の連中が書いた解説を見ると、
最初はMk.214を載せる気だったんだけど、完成が間に合わなかった、
という事なので、鹵獲されなかった1号機にも
同じようにBK-5が積まれていた可能性は高いと思われます。
まあ、大抵の人にはどうでもいいや、という世界でしょうが(笑)。
その弾倉および装填装置部分。
後部をグルリと取り巻いてるオムスビ型の筒が弾倉部。
ただし連射砲と言っても、45発/分とされますから、1発撃つのに1.33秒掛かる計算で、
いわゆる機関砲というより、次弾を自動装填してくれる50mm砲、という感じかもしれません。
後部から。
なんらかのボンベと共に電源ケーブルのようなものも見えるので、
ひょっとして電動式?
ちなみに、Me262だけでなく、双発レシプロ戦闘機、Me410にも搭載されており、
こちらは50機を越える機体に積まれ、爆撃機迎撃用に実戦投入されたようです。
B-17、B-24撃墜の戦果もあるとされますが、確かな裏付け資料はありませぬ。
という感じで、この機体についてはここまで。
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