やや斜め前から。
高い位置のコクピット、ゴチャゴチャした脚構造などを見といて下さい。
この展示、窓のすぐ前なので、どうしても逆光になってしまいます…。
やや下から。
主翼から12.7mm機銃の銃身がヒョイと飛び出したまま。
これを受け取ったイギリス人はここにカバーを付けたかったんじゃないかなあ、と思います(笑)。
主脚の左右中央部に、胴体のカバー部が下がってるのですが、
胴体の一部を切り欠いているため、他の機体の車輪カバーとはかなり異なる構造になってます。
機首下には排気管が見えてます。
左下から。
この写真のみ2008年の最初に見に行った時の写真。
車輪の後ろの胴体下部に見えてるのはコクピットの床窓で、下を見るためのもの。
これは1930年代後半から40年代前半の海軍機によく見られるもので、
主翼に積まれた小型爆弾の照準用に使うものです。
といっても、こんな真下しか見れない窓で高速飛行する戦闘機から
地上の目標を照準するのは不可能ですから、これの用途は実は対空戦闘用です。
なんだそりゃ、という感じですが、当時のアメリカ海軍は
大型爆撃機で艦隊を襲撃される、という恐れを持っていたのでした。
実際、日本海軍もそういった計画をもっていたましたが、
ここら辺りはアメリカ陸軍航空軍を戦略爆撃空軍にしてしまったミッチェルの影響でしょう。
彼が陸軍の爆撃機の実力アピールのため、
大型爆撃機で第一次世界大戦のドイツ戦艦(戦利品として受け取っていた)
を実験爆撃で沈めてしまい、アメリカの海軍に衝撃を与えた影響が尾を引いてると思います。
で、そんな大型爆撃機を確実に一撃で撃墜してしまうために
戦闘機で小型爆弾を上からぶつけ撃墜しちゃえ、というアイデアがあったのです。
無論、お互いが時速数百kmで飛んでる状態で、そんな爆撃が当たるわけが無く、
これが役に立たぬというのは早い段階で判明していたのですが、
どうも海軍は妙なこだわりを持っていて、後のF4Uの試作型辺りまでこの窓が付いてます。
ワイルドキャットでは後期生産型のFM-2から取り外されてますが。
もう少し下から。
2014年の段階では手前に見えてるような
プラスチック製のヘッポコ人造植物が置かれていてまともに写真が撮れませんでした…。
枕頭鋲と皿子ネジをつかって滑らかに仕上げられてる機首周辺と主翼下面、
対して通常のリベットで凸凹になってる車輪から後ろの構造の違いを見といて下さい。
この辺りはこの時代の機体の標準的な構造で、
同世代に近いスピットファイアでもMk.IX(9)まではこんな感じでした。
必要最低限の部分だけツルピカにしておく、という事です。
ついでに、こういった部分がはっきり見て取れるようになったのが
2010年頃以降のデジカメの描画性能進化で、
これのおかげで、一気に見て取れる情報量が増えましたね。
ついでに主翼と胴体のつなぎ目のカバーを見といて下さい。
低翼機の継ぎ目に見られるような巨大なフィレットが無く、
簡単なカバーが付いているだけなのに注意。
この構造が、抵抗の発生低下につながるようです。
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