■それはホンマに乱数か

というわけで自由市場での価格変動率を時系列で並べると乱数の集団となる、
というのが、話の大前提だが、それは本当なのか、を確認してなくては話にならない。

確認のための具体的な数値データは、日本で最大の自由市場であり、
まとまったデータが手に入りやすい株式市場を取り上げる事にしよう。

株式市場では、売り手が希望価格を示しても、
誰も欲しいと思わなければ、永遠に売れない。
よってこの場合、買い手の希望する価格まで株価が下降してゆく。

逆に売り出した途端、速攻で売れてしまうほど人気なら、
売り手はどんどん株価を引き上げてゆくから、株価は上昇する。

すなわち株価の決定は自由市場と同じ原理となっている。
そして需給の予測が不可能な結果、
価格の未来予測が不可能なのも一緒だ。




今回取り上げるのは市場価格の中でも、特定の会社の株価ではなく、
市場を代表する銘柄から取られる指標価格、すなわち日経平均を採用したい。

この価格には多くの株価が参照されているため、
その決定には市場参加者の多くが関わっている。
よって日本で最大数の参加者によって決定される市場価格の一つと見なせるからだ。
(ドルの為替市場はさらに巨大だが、全世界規模のシステムであり
話が大きくなりすぎて私の手に余る)

ここで実際の価格の例として2014年10月末における
各日の日経平均株価(終値)を載せておこう。単位は当然、円である。

 2014年10月31日

16,413.76

 2014年10月30日

 15,658.20

 2014年10月29日

 15,553.91

 2014年10月28日

 15,329.91

 2014年10月27日

 15,388.72

 2014年10月24日

 15,291.64




この表を見ただけで何かが読み取れると主張する人は
天才かペテン師だと思うが、とりあえず、そのどちらでもない私は、
変動率の数値に変換して見て行く。

株価の変動率は前日と当日、あるいは当日と翌日の価格の比、株価の上昇率である。
比である以上、変動率は割り算で求めることになるから、

前日価格÷当日価格
あるいは

翌日価格÷当日価格
となる。

この原稿では前者を使用する。

上の表と同じ期間の株価を、今度は変動率(上昇率)で示すと以下のようになる。
100.1%以上の数字は価格の上昇を、99.9%以下は下降を示す。
100%なら変動率は0、前日と同じ価格のままとなる。


 2014年10月31日

104.8%

 2014年10月30日

 100.7%

 2014年10月29日

 101.5%

 2014年10月28日

 99.6%

 2014年10月27日

 100.6%

 2014年10月24日

 101.0%



変動率の数字を使う最大のメリットはあらゆる時期の価格変化を直接、公平に比較できる事だ。

例えば株価が200円値上がりした時の事を考えよう。
同じ200円の値上がりと言っても、2012年の株価低迷時の日経平均8000円からの上昇と、
2014年のガンガン上昇状態である14000円からの上昇では、その意味が全く違うはずだ。

この点を公平に比較できるのが、変動率によるデータ化となる。
それぞれの200円の値上がりは、前者は102.5%の変動率、
後者は101.4%の変動率だから、同じ200円の値上がりでも、8000円からの上昇の方が変動の値が大きい。
つまり同じ上昇金額でも株価低迷時の方が、
より大きな幅の変動だった、と判断する事ができる。

これによって、あらゆる年どころか、あらゆる時代の
市場価を公平に比較する事が可能になる。

この変動率の数字の列ははそのまま乱数になる、といのうが筆者の主張である。

…ホントだろうか(笑)?

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