■さらにいろいろ
最後は唐冠型冑。
唐冠とは、その名の通り中国で使われた冠の事で、
左右にシャモジが飛び出した形状の帽子であり、平安期以の宮廷における正装の一種です。
現存する正装した秀吉の肖像画が被ってる変な帽子が、それです。
そこから転じて後頭部から二本の飾りが左右に飛び出してる形状の冑を唐冠型と呼ぶようです。
ちなみにこれは信州にあったらしい日野根家から豊臣秀次に献上したものだとか。
ただし、その後、日野根家に戻され、明治になってから靖国神社に寄進されたもの。
これまでのに比べると、やや大人しいデザインですが、
雷雨の最中とかにこれ被って、決戦の平野で仁王立ち、とかはかなり危険な気がします。
こうして見ると、通常の冑の後ろに飾りのパーツを付けたモノらしい、というのがなんとなく判ります。
なんか集音器のような気がしなくもないですが。
最後に江戸期の砲術解説書も展示してあったのでちょっとだけ。
やはり銃身を岩などに載せて、スナイパー的な撃ち方もしたのね。
手持ちだけではないよな、常々思っていたので、ちょっとうれしい発見でした。
ついでに、この長い火縄はいつ標的が出現してもいいように、という長時間持つタイプなんでしょうか。
あと、照星をキチンと見て狙いを付けろ、という赤線にも注目。
と、ここまでは納得が行くんですが(笑)、なんで裸で赤フン一丁なの、この人?
これがこの時代のスナイパーの標準的なスタイルなんでしょうか。
鉄砲撃ちと変態は紙一重、というメッセージ?
と、最後に微妙な謎を残しながら、この記事は終了。
今回の展示は2017年いっぱいですが、靖国神社の遊就館は何年かごとに
こういった展示をやるので、興味のある方は機会があれば行って見てはいかがと。
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