■ISO限界
さて、物理的にレンズを明るくする他にも明るく撮影する方法があります。
それが受光部のISO感度を上げてしまう、という方法です。
が、これは少ないデータに無理やり強度をつける、
といったような処理ですから、ノイズの発生原因になりやすいのです。
ただし、最近のデジタルカメラはISO感度を上げてもノイズは出にくくなってます。
とはいえ、それはスバラしい!と思うのは早計で(笑)、
これはノイズ全体の平均値を取ってその色で一定面積を塗りつぶす、
といった感じの、純粋に数学的な内部処理が行われてるのが普通です。
この結果、ノイズは消えるものの、細かい部分が潰れてしまいがちで、
これだったらまだノイズが出てる方がましだ、という事になりやすいのです。
では実際、どの程度が許容範囲なのか。
先代のLX-5ではISO200までが限界で、それを超えると
なんだか妙な写真になってしまいがちでした。
この点、LX-7はどうなのか、というのを見ておきましょう。
ISOの設定を手動で100、200、400、800と切り替えて見ました。
ちなみにシャッタースピードは全て1/15です。
100
200
400
800
ISOの感度を上げるとドンドン画像が明るくなってるのがわかるでしょう。
この写真を見る限りでは、400や800でも問題は無いように見えます。
実際、ホームページで展示するにはこれでもいいかな、という気がしますが、
記録写真で、細部までキチンと撮影する必要がある、という場合、
ちょっと話が変わってきます。
次は縮小なし、100%の状態で細部を見てみましょう。
100
200
400
800
これも数字が大きくなるに連れて明るくなります。
ここで注目して欲しいのは白い電灯の外側、やや暗い白地部分です。
200、400、800のこの部分をよく見ると、なんだかウネウネした
トコロテン、あるいは日曜画家の油絵のタッチのような部分とでも
いうようなものが見えるの、わかるでしょうか。
かなり上手く処理されてるので、ちょっと見づらいかもしれません。
とりあえず、それが“数学的に”ノイズを消去した結果でして、
ノイズは消えたのではなく、周囲との差異を縮小され、
その結果、目立たなくされただけなのです。
一定面積で情報が平均化された、とでも言うべき処理になってます。
今回は、白い壁だからそれほど気になりませんが、
対象が文字の書かれた看板だったりすると、
この処理の結果、完全に字が潰れてしまって読めなくなります。
とはいえ、これでも以前に比べるとかなり良くなっており、
試してみた感じだと、ISO400までなら、なんとか許容範囲に入る感じです。
…ギリギリ、ですけどね(笑)。
とりあえず安全マージンを確保しとくなら、ISO200までにしといた方が無難でしょう。
ちなみに完全にカメラまかせのインテリジェントオートで撮影した場合、
なんでこんなところで、というケースでもISO800以上にしちゃう事があるので、要注意です。
しかもこのモードはISOの上限を設定できません。
よって、ある程度暗いところで撮影する場合、ISO感度の上限を設定できるモードで
撮影したほうが無難だと思われます。
実際、歴代LXシリーズの“インテリジェント”は自分で言うほど賢くないので(涙)、
このカメラの性能を引き出そうと思ったら、使わないほうが無難です。
はい、という感じで完全に私の都合と趣味に走った
今回の話はここまでとします。
BACK