ゴジラ-1.0を地雷映画男を巻き込み日比谷で鑑賞。
とても良くできた作品でした。お金を払って観るべき作品です。「君たちはどう生きるか」が無ければ本年の最優秀作でした。
脚本も映像も高いレベルで実によくまとまっていたので、とやかく言うのは野暮だと思うんですが、可能な限りネタバレを避けていくつか。
●もう喚く叫ぶの演技は止めてもいいのでは無いか。最近はだいぶ減って来たとは言え、未だに日本の俳優さんは喚く、叫ぶで感情を演じようとする傾向がありすぎます。英語圏どころかインド映画でももっと冷静だよなあ、普通に話せないのか日本の俳優さんと常に思っております。今回の映画は他の出来がとてもよかった分、この点がとても気になりました。
●シン・ゴジラの皇居最短距離到達記録にあえて挑戦せず、今回は有楽町駅までで終わったんですが、現地で映画を見ていた(笑)人間の感想として、駅からあの方向に発射したら、皇居もGHQ本部も吹き飛んでません?爆発の規模からすると国会議事堂も吹き飛んでる可能性が高く、あの段階で日本の政治中枢、消滅してません?まあ虚構の中の些細な事であり、そんなん気にしなければ問題はないんですが(笑)。
●監督&脚本の方の知識が凄まじいレベルで、これだけの「知識」を持って映画を造った方は日本では黒澤明と宮崎駿監督だけでは?正直驚きました。パラベーンの使い方を知っている、磁気機雷対策を知っている、終戦時の高雄の場所と状況を知った上で微妙な嘘で虚構に取り込んでいる、深海圧力という発想、いやはや凄いです。勉強家の方だと思います。
●最後の最後、操縦席に書かれた赤文字のドイツ語、判る人だけに判る伏線でちょっと感動。よくまあそんな事まで知ってるなあと思う。ただし第二次大戦期のドイツ式脱出装置は火薬による射出式ではなく圧縮空気で座席を浮き上がらせた後、機体後方の負圧で外に引き出しレールで後方に投げ出すだけです。He162ではパイロットがエンジンへの直撃を避けるために天蓋(キャノピー)をここにぶつける(というか吸い込ませる。脱出時にエンジンは切らない)のですが、あの機体では後方に流れて行くパイロットはプロペラでミンチに…。そんなの要らぬという気もしますが、プロペラを爆破で吹き飛ばすカットが一つあればよりステキでした。そんな細かいツッコミはどうでもいいほどによく出来た映画なので、何の問題もありませんが。
●子供がメチャクチャかわいい。とてもかわいい。あの子を見るだけでもこの映画を観に行く価値があります。
以上、とりあえず凄い映画でした。ちょっとでも興味がある人はぜひお金払って観に行きましょう。