日本とジェットと大宇宙

こちらは陸軍が開発した双発戦闘機「キ-45改 二式複座戦闘機 屠龍 丙型」。
20mm斜め銃2門積んでるんで、多分、丁装備だと思います。
龍を屠る、すなわちドラゴン・スレイヤーですね(笑)。案内板ではドラゴン・キラーと書かれてます。
現状は胴体のみ。世界で唯一の現存機ですし、陸軍がスミソニアンに渡した段階では、
ほぼ完動機だったはずなんで、他の部分も現在修復中、と思います。思いましょう(笑)。
しかし、ウーフーといい、夜間戦闘機はこの状態で晒すのが気に入ってるのかな、スミソニアン。
ちなみにこの機体、戦後に接収されたものなんですが、仔細は不明。

写真でわかるようにコクピットの下、機体左側には,アメリカ陸軍による試験飛行に際しての
使用ガソリン、および搭載重量に関する注意書きが残ってます。
アメリカ陸軍の整理番号はT2-701だったそうで。日の丸以外の赤い塗装も米軍の注意書きの類。
つーか、すなわちこれオリジナル塗装のまま、じゃないのかなあ。
一応、疑問点としては、これで試験飛行も行ってるので、戦後とはいえ、日の丸つけたまま飛ばすだろうか?ということ。
実際、無塗装ジェラルミン状態でアメリカ国籍マークつけた屠龍の写真も残ってるし。
でも、注意書きの状況からして、この状態でガソリン入れて試験したとしか思えんし。
垂直尾翼があればそこになんか書いてあると思うので、もう少し判断の足しになるんですがね。
1946年とかなり早い段階でNASMの前身であるイリノイの航空博物館に収められてるので、
オリジナル塗装である可能性が極めて高い、とだけしておきます。


この機体も最後は「斜め銃」をコクピット後部に積んで夜間戦闘機、というか対B29戦に用いられました。
実は、私、屠龍の夜間戦闘機の存在そのものを長年知りませんでした(笑)。10年くらい前にプラモデルで初めて知った…。
そのぐらい、日本機には疎いんです。よって書くことがない。困った(涙)。
あー、月光もそうですが、日本の「夜間戦闘機」の特徴は1945年の段階で、
ほとんどレーダーにたよらず、目視に近い迎撃をやってることでしょうか(涙)。
職人芸、なんでしょうかねえ。無茶だよねえ。
ドイツぐらい緯度が高い地域でなら、夏の高空の場合、太陽の残照が水平線に見えるでしょうから、
真夜中でもなければ東からの接近で爆撃機の大きなシルエットを追うことも出来たでしょう。
でもねえ、北緯35度の東京では、厳しいですよ、これ。
そしてそんな環境のドイツでさえ機上レーダー使ってるんですから、無理難題でしょうね。

これがオリジナル塗装だとすると、翼の付け根が無塗装なのに注意してください。
ウーフー、見ていただけるとわかりますが、この部分も塗装されてます。
あれは再現塗装ですが、実は翼の付け根部分だけ色が全く異なり、
多分、オリジナル塗装が残ってると思われるんです。
ここら辺、ドイツではパーツを組み立てる前に色塗ってたんですかね。
あと、日の丸の色の剥げ方、いきなりジェラルミンが見えてます。
地色のグリーンごと剥げたのか、そもそも円形に塗料を塗り残してそこに赤の塗料をのせたのか。
各部分の色の剥げ方も、いきなり地のジェラルミンが見えてますが、
これもこの塗装はオリジナルじゃないかなあ、と思う根拠の一つ。


参考までに、これは前回登場したP38の塗装の剥げ方。
米軍の塗装は、そもそもそう簡単に地のジェラルミン、むき出しになりませんし、
翼の前縁部分に見えるように赤い防錆塗料が下地に塗られ、
ご覧のように塗装が剥げてくるとその部分が見えます。
これがないんですよ、この屠龍。これもオリジナル塗装では、と思う理由の一つ。


機体下面を見たささきさん「あ、あそこ凹んだママですね」と一言。
20mm機関砲が入ってた所ですかね。いいのか、こんなんで(笑)。
フタを紛失したんですかねえ。しかし、夜間戦闘機のくせに下面白塗装ですか…。
外板、まったく波打ってませんから、骨組みもしっかり保存されてるようですね。
状態は完璧に近いんじゃないでしょうか。今後の組み立てに期待しましょう。


最後にコクピットと斜め銃のアップ。なんかコクピット内、木材で補強されてますね。
20mm斜め銃、多分ホンモノですが、赤い銃身カバーがオリジナルにもあったのかは不明。
普通に考えれば熱を持つ銃身にわざわざこんなもの、つけないと思うんですが…。


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