■国立歴史民俗博物館

千葉県佐倉市。
本来なら千葉県庁所在地であるべき歴史ある街なのに、
徳川家に縁が深かったため、印旛県と木更津県が合併するとき、
その境界にあった千葉市に県庁所在地を取られた挙句、
県名まで千葉にされてしまった悲劇の街、というのは21世紀人の常識である、
と勝手に判断して、そこら辺りはすっ飛ばします。

で、この街はわが実家から車で20分前後であり、
正直、ほとんど何もないね、というエリアなのに、
私認定首都圏最強の美術館(世界レベルであると言っていい)、
川村記念美術館と、これまた日本最強の博物館、
国立歴史民俗博物館(こちらはやや弱いが日本国内相手ならトップレベルだ)
があったりするわけです。

で、久しぶりに国立歴史民俗博物館に行ってみたら
古代関係の展示室が改装工事中で、3年前のスミソニアンの悲劇が
ふつふつと思い出されたりしたのですが、
それでもやはり良い施設だなあ、としみじみ思ったので、
旅行記として紹介して置きます。



佐倉城跡に建ってるのがこの博物館で、田舎の城跡ですから土地はいくらでも在るわな、
という感じのデラックスなつくり。
千葉県下では珍しく、いろいろな歴史的逸話があるのがこの佐倉城周辺なんですが、
この旅行記で脱線の予定は無いので、今回は触れず。



建物は一度最上階に上がってから、下の階の展示室をめぐる、という構造になってます。



ここの展示の多くは複製品で、わざわざ見に来る価値は無いのですが、
注目点はそこでは無く、全体の展示の演出、そして照明の使い方のうまさです。
なので、従来の博物館旅行記のような細かい解説は全てすっ飛ばし(手抜き)、
必要かな、というポイントでだけ、解説を入れて置きます。

これは以前、アジア方面の旅行記で散々解説してた狛犬の原型の展示。
朝鮮半島から入って来た当初は、こういった感じで、貴族の家の屋内魔除けというか、
オシャレアイテムとして置かれてたものでした。
ただし厳密には奥の金色のが狛犬、手前のは獅子ですが。



平安期の貴族のチョーラスボス、左大臣 藤原道長の日記からその勤務状況を再現したもの。
月の内、休み(物忌という名目でサボる)が7日ですから、この点はまあ普通。
が、内裏へ勤務した19日の内、5日は泊まり込みになっており、ほとんどブラック企業じゃん、という気も。
まあ、当時の照明施設で、徹夜で事務仕事できるとは思えないので、
遊んでて面倒になって泊まりにしてしまったんじゃないか、という気もしますが。



鎌倉の立体模型。
こうして見るとなるほど、天然の要害であるとわかります。
ただし、敵が海から侵入してこなければ、ですが。


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