■出撃前の予備知識

てな感じで、今回より、香港を歩き回り始めるわけですが、
最低限、記事を読むのに必要、と思われる香港の地理知識を最初に説明してしまいましょう。

香港は、その歴史的な事情で、まともに都市開発されているのは香港島と九龍(カオルーン)半島先端のみ、
と言うのはすでに説明したとおり。

でもって、その中でも我々が香港と聞いて想像するような地域、
実際に観光で歩き回る地域はさらに限られます。
地図にしてしまうとざっと、こんな感じ。
大体6km前後四方のエリアにすぎず、東京の山手線内側よりちょっとせまい、といったエリア。
その中に例の海峡ことビクトリア ハーバーも含まれますから、実際にはさらに狭いのです。



今回は上の地図に緑の点線で示したルートを走破します。
九龍(カオルーン)側の繁華街エリアにある油麻地(ヤマティ)のホテルを出撃、
ひたすら南下し、そのままスターフェリーでビクトリア ハーバーを縦断、
香港島側に上陸後は、その商業エリアにそって、中環(セントラル)から
湾仔(ワンチャイ)に抜け、そこで、本日のメインエベント、ワンチャイの戦いに巻き込まれ、惨敗します(涙)。

ついでに、もうちょっとだけ、香港中心部の説明を。
香港島は最も早くから開発されていた地域ですが、中心部は標高500mを超える山地で、
艦船が主要な交通機関だった1950年代まで、その発展はビクトリア ハーバーに面した
北部平野のみに集中してしまっていました。
このため、山の向こうの南側は漁村と海水浴場のまま、という時代が続きます。

後に山地を南北に貫くトンネルが完成してからは、一大ベッドタウンとして発展しますが、
香港島南部は、商業エリアとはいいがたく、香港島で都市圏に入るのは地図のエリアのみでしょう。

ちなみに、最初に割譲されたのが香港島だったので、イギリス統治時代の
行政組織は、香港島北部、地図では左手に見えるそのセントラル(中環)地区に集まり、
現在でも、香港の行政、金融といった面での中心部はここになってます。

このため、香港島側の方が、九龍(カオルーン)側に比べてやや「山の手風」というか、
落ち着いて、高級な感じのするエリアが多くなってます。
なのでセントラルから、湾仔(ワンチャイ)、銅鑼湾(コウズウェイベイ)に至る東西エリアが、
香港島側の一大商業地域ですが、東京で言うなら銀座、大阪ならキタ、という感じの、
やや高級店が多いエリアとなってます(無論、例外はある)。

一方、九龍半島側の繁華街は旺角(モンコック)から尖沙咀(ティムシャツイ)まで南北に展開、
こちらは東京で言えば新宿、池袋、大阪ならミナミとったエリアで、
庶民的でパワフルな地域ですね。

ただし、尖沙咀(ティムシャツイ)周辺、特に西側は超高級ホテルがある関係で、
非常にオシャレなエリアで、香港でもちょっと変わった場所になってます。
東京で言うと、青山、代官山、大阪だと、まあ心斎橋のあたり、という感じ。




同じ香港でも、ビクトリア ハーバーを挟んで島側と半島側では、微妙に雰囲気が異なる。
ご覧のように、高層ビルが林立する香港らしい景色が展開するのが、香港島側の地域。

画面中心部アタリがセントラルで、背景には香港島の山岳地帯が見える。
かなり急峻な山地で、このため、香港島において人の活動できるエリアは
極めて限られてしまっている。
これが香港島側で都市の高層化が進んだ大きな要因の一つだろう。

なので、見た目はえらく派手だが、街そのものはあまり広くなく、
商業エリアとしては、九龍側よりやや小規模なものとなる。

ただし、香港名物、二階建て路面電車が走ってるのはこの香港島側だけなので、
乗り物好きには、こっちの方が楽しいかもしれない。



対してこっちが九龍(カオルーン側)。

見た目にはちょっとパッとしないんですが、その理由は二つ。

かつてはこの右手、半島の東の付け根にカイタック空港があったため、
高層ビルの建築が禁止されており、低層都市となってしまったから、が一つ目。
と、同時に、香港島に比べると大分狭く見える九龍側のイギリス割譲エリアですが、
どっこい、こっちはほぼ平地だったんで(というか平坦地を選んで分捕ってる)、
それほど土地には困っていなかったから高層化の必要性が低かった、が二つ目。

なので、繁華街としては九龍半島側の方がやや広くて、大規模になってます。

それでも、カイタック空港がなくなってから既に12年、だいぶ高層建築が増えました。
昔は、点滅ネオンサインまで禁止されてたんですが、それも今は解禁となったようです。


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