■次は宇宙だ

というわけで、いよいよ最後の展示、大陸間弾道弾の間へ。
で、冷戦の間から、そこに行く途中は「オレとお前と空軍と宇宙」な展示になってます。
でも空軍、確かに絡んでるけど、基本的にはNASAの仕事だよね、全部…。



アポロ15号の指令船。
大気圏突入により、見事にこんがり焼きあがってます。
15号のクルー3人は全員が空軍関係者で構成されていたそうで、
それによってここに展示されてるらしい。
取っ手とかの突起物がキチンと残っているのが意外でした。
ちなみノースアメリカン ロックウェル社製。



こちらはジェミニ計画の宇宙飛行用カプセル。
アメリカの有人宇宙計画第二弾にして、初めて二人乗りとなったので、
それがウレシクてジェミニ(ふたご座)という名にした、
という非常にストレートなネーミングとなってます…。
ちなみにこれはマクダネル製。

ジェミニ計画は、アポロ計画に備え、長期宇宙飛行や
宇宙船のドッキング技術開発を目的として行われたものです。
展示されてるのはどうも地上での訓練用に使われたカプセルらしいですが、
カプセルの横に堂々とUS AIR FORCEと入ってます。
…ええんかいな。

実はアメリカ初の有人宇宙飛行計画、マーキュリー計画の宇宙船も
展示されてたらしいのですが、完全に見落としてます…。



で、最後の展示スペース、ミサイルのお家の中はこんな感じ。
入った瞬間に圧倒されて、同時にあきれます(笑)。
16:9デジカメ以外でこのアホらしさを伝える事は不可能でしょう…。

大陸間弾道ミサイルは一種の「やる気のない宇宙ロケット」です。
人工衛星が飛んでる、永遠に自由落下し続ける高度にまでは上昇しませんが、
少なくとも大気圏と呼べるエリアの上にまでは行きます。
正確な高度は知りませんし、知ってたら怖いですが(笑)、
通常、高度100kmは完全に超えます。

なので「宇宙空間」と呼んでいいとこまでドエリャー速度で上昇し、
燃料が無くなってからもしばらく慣性で上昇を続けます。
で、大体目標までの中間地点あたりで、運動エネルギーが無くなるので、
そこからは自由落下で目標に突っ込みます。

なんで、ミサイルと言っても
ほとんど宇宙ロケットみたいなシロモノなんですね。

自由落下、といってもあーた、ほぼ宇宙空間から突っ込んでくるんですから、
その速度は隕石並でして、しかも垂直方向に高速、
という「事実上迎撃不可能」なシロモノ。

まあ、最近は地対空ミサイルでこれを撃墜する、と言ってるらしいですが、
ターミナルと呼ばれる大気圏突入後の段階では
撃墜のチャンスは数秒しかないはずで、どうなんでしょうね。
確かに迎撃可能なポイントにあらかじめ居れば、
なんとかなるでしょうが…可能か、それ?

恐らく、本命は上昇が終わって慣性で最高度到達点に向かう途中、
あるいはそこを通過した直後を狙うもののはずで、
それ用にロケットなみの性能を持った迎撃ミサイルの開発をしてるようです。
ちなみに日本のイージス艦に積まれることになる
迎撃システムもこの「大気圏突入前を叩く」というもの。
が、これもその迎撃チャンスはあって数十秒、という世界なはずで、
確実にミサイル発射の探知、その後のレーダー追尾に成功することが、
最低限の絶対前提条件となります。

ちなみに、屋外展示のとこで紹介した「レーザービーム機」、
あれも大陸弾道間対策用で、上空で待機してミサイルを待ち、
上昇中して来たミサイルをレーザーで撃墜する(なにせ光速だ)、
というシナリオだったらしいんですが、無茶だろう、それ…。

ちなみに、ここ「世界最大の弾道ミサイルコレクション」
みたいな事が入り口に書いてありましたが、
そんなん集めてるの、あんたらだけだ…。



ただでさえ撃墜困難な大陸間弾道弾をさらに厄介にしてるのがこれ。
多弾頭装備で、大気圏突入後、これらがばら撒かれ、
一本のミサイルから10発前後の核弾頭がそれぞれ目標に向かいます。
これだけでアメリカ中の100万都市全部攻撃できちゃいますね。

ちなみにこの展示のものは
ボーイングLGM-118A ピースキーパー ミサイルの弾頭部だとか。
…アメリカ人、ピースキーパー(平和の守護者)の名を安売りしすぎだろう…。

大きさからして破壊力は広島クラスから2倍以内の
おそらくウラニウム使用のものですが、
平地なら高度500m前後を爆心点として、半径3〜4kmを完全に灰にできるはず。
 
人類が文化デビューしてから4000年かけてたどり着いた、究極の兵器がこれです。
事実上、最強最悪で、この兵器への対抗手段は存在しません。
アメリカの弾道ミサイル迎撃システムはまだ完全から程遠い状態ですから、
現状で残る手段は先制攻撃だけ、ということになります。

余談。
前提としてほぼ不可能ですが、戦略核兵器の完成形は、
「人工衛星から直接地上に撃ち込む」というスタイルでしょう。

この場合、運動エネルギーだけで済みますから、
ロケットも何もいらず、発射後、20分程度で目標に突っ込みます。
全長3m、直径50cm前後の物体を、高度150km程度の上空において、
どの程度の精度で地上から探知できるのか不明ですが、
同時に10発とかバラまかれ、中にデコイなどが混じってたりしたら、
これはもう、打つ手はないはず。

さまざまな条件からして、この運用は不可能だと思います。
でも、アメリカ軍が運用してる時のスペースシャトルって、
一体全体、何を運んでるねん、とか考えると、
やりかねんかもなあ…とも思ったりする今日この頃。

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