■アメリカンなサイズについての一光学



 「なんですか、この箱?」
世界最大の航空機搭載カメラ、ボストン カメラだ!
B-36の偵察型、RB-36に搭載されたもの。
「カメラ?このデカイ箱が?」
そうなんだよ。アメリカンなサイズだろ。
何かの展示用巨大モデルか、と思ったら、これで原寸大。
見た瞬間、笑いが止まりませんでした。
1951年ごろの最先端技術で、軍事偵察に耐える解像度を要求したら、
なんとこのサイズになってしまったらしい。
後に、レンズもフィルムも進化して、小型化が進んだらしいがけどね。
ちなみにボストン大学で開発されたからボストン カメラなんだよ!



“なるほど!”
「……思った以上にウザイな、このキャラ…」
ハハハ、ま、最初はね、後は慣れだよペロ君。



ちなみにそのサイズはこのくらい。
比較モデルはささきさんwithハンサムチャーリーだ。
余談ながら、後ろに見えてるドラム缶に翼がついたような物は、
おそらく米軍でもっともコンパクトな水爆。最小でもあのサイズ。
このカメラといい、あの水爆といい、B-36に積むものは
何でもかんでもデカくなる傾向があるねえ。
とりあえず、このカメラ、間違ってもポケットには入らないね。
「そりゃそうだろう。ねえ、なんか上に煙突みたいなのがあるぞ」
ああ、あの出っ張りの理由は、このカメラの構造にあるんだ。
「構造?」
うん、カメラ、というか光学的な事はよくわからんのだが…
「ああ、無知だからねえ」



“なるほど!”
……ペロ君、確かにウザいかもな、このキャラ。
「いや、今のはいいツッコミだったよ」



とりあえずこのカメラのスペックはフィルムサイズ45×91.5cm(笑)、
レンズの明るさがf.8で焦点距離は6mとなっている。
「6m?焦点距離ってレンズからフィルムまでの距離のことじゃないの?」
単純に言ってしまえばその通り。
「でも、これ、デカイと言っても、レンズからカメラ後部まで6mはないだろ」
それもその通り。
その秘密が上の出っ張りで、最初み見たとき一眼レフ?と驚いたが、
さすがにこのサイズでそれはない。
このカメラのレンズ部は一種のミラーレンズとなっていて、
内部の鏡で光を何度か曲げ、トータルで6mの距離を稼ぐようになってる。
そのための「光の経路」があの上の出っ張りらしい。

基本的には、天体望遠鏡で使われる「反射型望遠鏡」の原理の応用だとか。
一眼レフカメラにもミラー型望遠レンズ、というのがあるらしいが、よく知らない(恥)。

で、このカメラ、これだけ巨大なレンズのクセに、
その明るさがf.8という安いコンパクトカメラ並の明るさしかないのは
(この旅行記で使ったLX-2でも広角側でf 2.8。f.1で人間の目と同じ高性能となる)
確か、この数字が原理的にミラーレンズの限界だったからだと思う。



“なるほど”
…失敗だったかな、このキャラ。
「だろうね、どう見ても」



なので、前から見ると結構な数のレンズが入ってそうだが、あれはミラーに写ったもの。
「ほんとにこんなにデカイのが必要だったの?」
いや、実際その性能は結構すごいんだよ。
高度14000mからゴルフボールが識別できた、とされる。
「高度14000m?」
そう。すなわち14km先のゴルフボールを撮影可能だ。
これは東京で言えば渋谷駅から羽田空港ターミナルの上に置かれたゴルフボールを
撮影可能、というのに等しい。
「へー」
大阪なら、難波から甲子園のスコアボード上のゴルフボールが撮影可能。
「ウヒョー!」
さすがは焦点距離6000mmだ。無茶苦茶だね(笑)。
ちなみにシャッタースピードは1/400までだったらしい。

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