■いろんな意味で色々あった機体



ボーイング RB-47H。
「R」がつくのでわかるように、ボーイング初のジェット爆撃機、
B-47を改造した偵察機。
写真偵察機ではなく、電波偵察機というシロモノで、
相手のレーダーサイトの場所、その性能をさぐるための機体だそうな。
これをアラスカやトルコ、そして横田基地から飛ばし、ほぼソ連のレーダーネットワークは
解明してしまったらしい。

元となった爆撃機B-47は大戦中の1944年には設計が開始され、
1947年に初飛行、以後、未だ現役だったB-29とB-50は
この機体に置き換えられて行きます。当然、核爆弾搭載可能。

ちなみに、この段階でB-29は「中型爆撃機」に格下げされており、
空軍の花形、大型長距離爆撃機は、例の
「どうやっても画面に入りきらないアレ」
ことB-36が担っておりました。

B-29って実は「アメリカの主力重爆撃機」だったのは、
わずかに2〜3年だったわけで、
まあ、日本に最後の王手をかけるためだけに生まれて来た機体、
なんでしょうね。
なんつーか、日本以外では無名に近いくらい、ほとんど人気(?)ないし…。

朝鮮戦争のときも、北朝鮮になんて都市も工業地帯もないですから、
あれは戦術爆撃でして、まあ、日本の都市を
ことごとく焼き払った数年前のミッションとは位置づけが異なります。



マグダネル ダグラスADM-20 クウェイル。
ウズラ、という名を持つこの機体は、逆ステルスとでもういうべき無人機で、
レーダには巨大な影として移るように設計されてます。
そんなことをする理由はただ一つ、デコイ、オトリだからです。

B-52の主翼下にぶら下げで運搬され、
爆撃ルートに乗った後の敵エリア上空で切り離されて、飛行に入ります。
敵のレーダーで捕らえられる情報では、B-52とほぼ同じ大きさで、
肉眼で確認する以外、確実に「ホンモノのB-52とオトリ」を見分ける方法はありません。
当然、高高度高速で突っ込んでくる戦略爆撃機を迎撃する
対空ミサイルもレーダー誘導ですから、それの目くらましにもなってます。

展示の看板では旧型のGAM-72と為っていますが、
GAM-72はほぼ全部ADM-20に改修されてるはずだし、
ホームページではADM-20とされますんで、多分、そっちのはず。



退役してゆく機体から、ノーズアート部分だけを切り取ったコレクション。
微妙に不気味だ…。



ダグラス C-133A カーゴ マスター。
1956年9月ターボプロップエンジンによる大型輸送機として開発された機体。
開発が進んでいた大陸間弾道弾の運搬などに活躍したとのこと。
50機とそれなりの数が生産されましが、C-5ギャラクシーのデビューにより、、
1971年には引退しています。

ターボプロップで4発というと、C-130がありますが、
あれは強襲型輸送機で、前線での使用を前提としており、
基本的に異なるジャンルの機体です。



撃墜されたり、未だに現役だったりと、さまざな活躍で有名な機体、
ロッキード U-2A高高度偵察機。
これも“ケリー”ジョンソン率いるスカンク ワークスの開発機です。

グライダーのように長い主翼で17000m以上の高空を飛んで、
敵地の偵察を行う、という機体で、
そんだけの高高度なら敵戦闘機も飛んできませんよフフフ…、
なるほど、そりゃいいアイデアだ!
と思っていたら、あっさり地対空ミサイルでソ連に撃墜されてしまう事に。
それが1960年5月のゲーリー パワーズ機撃墜事件。

この時は美しいまでに(笑)堂々とソ連領空内を飛行しておりました。
で、ここまでやってもソ連の皆さんは手を出せません、ふはははのは、
とか思っていたら、ようやく開発に成功していた高高度ミサイルSA-2で
あっさり撃墜されてしまうのでした(SA-2はNATOコードネーム)。
ちなみにこのSA-2は後にベトナムで
アメリカの航空機を叩き落としまくったミサイルで、
ある意味、U-2によって鍛えられたミサイル、ともいえます。
アメリカ、自業自得やのう…。

でもって、この時のパイロットがゲーリー パワーズ。
脱出に成功しますが、当然、ソ連に捕らえられます。
当初、パイロットは死亡したと思ってたアメリカ政府は、
民間の気象観測機が迷いこんじゃってゴメンね、テヘ、
とか言い訳してたんですが、パワーズの自白であっさり事実がバレ、
後にその偵察飛行を認めます。
が、未だにアメリカ空軍博物館の展示では「民間人パイロットによる」操縦、
と書いてたりします。往生際が悪いのう…。

が、実はこの事件が本当の展開を見せるのは80年代後半。
機密文章の公開によってこのフライトがCIAによるものであることがはっきりし、
パワーズも実は事件時には空軍を退役しており、既にCIAの職員でした。
なので、空軍の「ヤツは空軍の人間じゃないにゃー」という言い訳も、
ある程度は事実だった…というかよりタチが悪いやんけ(笑)。

まあしかし、空軍のパイロットを引き抜いて超高高度偵察に投入する
諜報機関て、どうなのよ、と。
007があれだけ苦労してガンバってるのをあざ笑うかのごとく、
CIAは常に力技で勝負する組織なのでした。

余談ついでにもう一つ。
パワーズは後にこの経験を本にまとめ、1970年ごろ出版します。
で、その中で衝撃的な事実を一つ、挙げているのです。

U-2が撃墜されたのはその性能データが漏れていたからだ、
とするのですが、この情報が漏れたルートとして
当時ソ連に亡命していた(!)オズワルドの名を上げています。
残念ながら、私、この本は未読なんですが、
パワーズが「ケネディ暗殺事件の犯人」のオズワルドと
このソ連にいたオズワルドが同一人物だと知って書いたのなら、
その意図が気になるところです。

パワーズが知ってるなら、CIAも知ってるわけで、
ならばなぜ、オズワルドが帰国して暗殺事件が起こるまで
ほったらかして置いたのか、それともパワーズは、
もう少し「何か」を知っていながらトボけているのか。
あくまで個人的な感想ですが、パワーズ、オズワルドと
ソ連抑留時代に会ってるんじゃないかなあ…

オズワルドとソ連の関係は映画「JFK」で非常に詳しく説明されてるので、
興味のある人はそちらをどうぞ。
あ、ちなみにオズワルドが「ソ連のスパイでケネディを暗殺した」
なんて事は100%ありえないので、念のため。
むしろ逆で、ここら辺の不自然さが、あの事件の最大の謎です。

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