■Xで行こう

ノースアメリカン X10。
名門、ノースアメリカンのXプレーンデビュー作がこれ。
巡航ミサイルのテスト機ですが、空気取り入れ口があることからわかるように、
ターボジェットエンジン(アフターバーナーあり)搭載機。
この角度で見ると、なんだかイカみたいですが、とても美しい機体です。
ご覧のように脚があり、地上から滑走して飛ぶ、というデラックスなミサイルです。
で、試験機ですから、自力で着陸も可能(無線操縦)。
ちなみに誘導装置の電子部品部が高熱を持って飛行中に壊れたため、
途中から80分分のドライアイスを積み込んで飛んでたそうな。
これも、大陸間弾道弾の開発で、実験は途中でキャンセルとなります。
で、次ぎのX-11、12は大陸間弾道弾と宇宙ロケットの研究機でした。

ああ、アナーキャーはバカだなあ、写真の向きが違うよ、
と大抵の人が思うでしょうが、これはこれで正解。
垂直離着陸実験機、ライアン X-13バーティジェット。
戦闘機のFナンバーでは13を欠番にしたアメリカですが、
Xプレーンズでは使用してます。その結果がこれ(笑)。
完全垂直離着陸を目指した、ということはあのハリアーと
おなじ方向の開発方針を持った機体ですが、
アメリカ海軍がたどり着いた結論がこれでした(涙)。
小型空母、さらには潜水艦からの運用を前提としたジェット機です。
X-13は、この状態のまま、エンジンの推力だけで浮き(そのため小型軽量)、
着陸板から飛び立つセミのごとく離れ、水平飛行に移ります。
現代の戦闘機のように、有り余るエンジンパワーはありませんから、
そのままエンジン推力だけで垂直上昇、とはいかず、
低高度のまま、水平飛行に移ります。
先にも書きましたが、VTOL機最大の壁がこの縦方向から横方向への
向きの変更、でして、この機体もかなり苦労したようです。
ちなみに、この機体、艦船での運用前提ですから
例のゴブリンのごとく脚、ついてません。
(初期の実験機では固定脚をつけて試験したが)
で、任務が終わったら、再び、垂直に向きを変え、
木にとまるセミのごとく、あの着陸板に張り付くのでした。
が、海軍は大型空母でジェット機を運用することに決め、
困ったライアン社は核攻撃で飛行場が使えない、
といった事態の時の緊急用戦闘機として空軍に売り込みます。
これが一度は成功するものの、ハリアーでさえ採用を見送った米空軍、
この機体も最終的にはサヨナラ決定となります。南無〜。
…まあ、とりあえず、空軍博物館に入れてもらえたのが
ラッキーといえばラッキーか。
次ぎのX-14も垂直離着陸機ですが、開発はベルなので(笑)
事故によって失われて、実機、存在せず。
最も、これ実に24年間運用された、というXプレーンズでは
最長記録保持者なんですが。

X-1とならんでXプレーンズを代表する機体、
ノースアメリカンX-15A-2。
この機体の脚も着陸専用で、B-52から発射されて飛行に入ります。
実機を見るのはスミソニアンについで2回目なんですが、
ここはご覧のように近づき放題。いや、堪能しましたとも。
やっぱりノースアメリカンの機体は、カッコイイねえ。
マッハ5を超える人類最速航空機を目指して造られた機体で、
当初の目的以外にも、後の宇宙船開発、宇宙服開発などでも大きな成果を挙げた機体。
ちなみに、ノースアメリカン、何を血迷ったか例のF-107、
さらにはバルキリーと運命を共にするF-108の敗北コンビに全力を傾けます、
と一度はこの機体の開発を断ってしまいます。
が、NACA側がえらく気前よくスケジュールを妥協、結局ノースアメリカンが受注。
結果、F-107とF-108の開発で惨敗するノースアメリカンの経営を、
一時的とはいえ、救うことになります。
この機体の胴体両脇、主翼横の膨らみは、バルキリーと同じく、
超音速時の衝撃波の波乗りを狙ったもの。
これ以外にもさまざまな「超高速度対応」の設計がなされており、
まさに未来の航空機、といった構造になってました。
その性能も周囲の期待に応えるもので、最大速度マッハ6.7、
さらには107960mという航空機の到達高度記録まで打ち立てます。
3機製造されたうち、3号機は事故で損失したものの、
1号機と2号機は生き残り、1号機がスミソニアンに、
2号機(最高速度記録機)が、この写真の機体です。

マーチン マリエッタ X-24A。
個人的にはビフォア、と呼ばせてもらいます。
NASAが主導して設計されたリフティングボディ機。
主翼無しでどうやって飛ぶの?というと、胴体が全体的に翼断面形状になって、
そこで揚力を稼ぐのですが、よほど高速で飛行しないと、
あっという間に揚力は失われるはず。
実際、この機体の性能はイマイチだったのか、
「緊急改造手術」が行われることに。

X-24B。手術後(笑)。
個人的にはアフターと呼ばせてもらいます。
上のX-24と基本的には同じ機体ですが、夏休みが終わったら
ヤンキーになってた同級生のごとき変貌ぶり。
リフティングボディ機にもう少しキチンと飛行性能を持たせるべく、
空力的な面を大幅にリファインしたもの。
結果、それなりに飛べる機体となり、
この機体の研究結果は、後にスペースシャトルにも活かされてるそうな。
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