■さあ、色々やってみよう

アメリカ空軍、と空気取り入れ口の横に書かれているハリアー。
垂直離着陸で有名な機体ですが、正直性能は中途半端でして、
結局、、アメリカでは空軍はおろか海軍でも採用を見送り、
最終的に「ヘリよりはマシ」という理由で海兵隊が採用しました。
この機体の正体は先行試作型のケストレル、ホーカー シドレー XV-6Aです。
ハリアーは純粋試作機のP.1127という機体が最初に造られ、
その後で、実際の採用試験、性能調査のために造られた機体がこのケストレル。
9機造られたのですが、試験開始直後に1機が墜落(涙)、
残り8機で性能調査が行われました。
ロールス ロイスのレシプロエンジンの原点となり、
あのMe-109にも使われた(笑)名エンジンの名をあえてつけたのは、
狙ってやったのかしらん(ハリアーのペガサスエンジンはRR製)
ケストレルは試験飛行隊に引き渡され、試験に入ります。
で、この1964年10月からの性能評価試験に参加したのは、
イギリス空軍、アメリカの陸海空軍、そして西ドイツ空軍というメンバー。
が、これほどのメンツが集まりながら、
結局、採用したのは義理と人情に縛られた本国イギリス空軍だけでした。
ハリアーの性能、察して知るべし。
ちなみに、8機のケストレルのうち、6機をアメリカが買い取って
本国に持ち帰ってますんで、興味はあったんでしょうね。
結局、試験に参加しなかったイギリス海軍、アメリカ海兵隊、
という意外なカスタマーに救われることになるのでした、この機体。
余談。
この時の評価チームに西ドイツ代表として参加したのがあのバルクホルン。
ドイツ、というか全人類史上第二位のスーパーエース、
第二次世界大戦中の撃墜数301機のあの人です。
バルクホルン、垂直離着陸機の運転経験のあるスーパーエースなのでした。
さらについでながら、ハリアーの垂直離着陸可能なエンジンを開発したのが、
あの“サー”スタンリー・フーカー。
イギリスの空飛ぶ救世主、マーリンエンジンの「育ての親」ですね。
マーリンの「育ての親」の設計によるエンジンで、
バルクホルン、飛んでたんだなあ、と。

急ブレーキを踏んだら、垂直尾翼が前にずれちゃいました、みたいなフォルムの
コンベア XF-92A。Xナンバーがついてますが「XF」であり、
いわゆるXプレーンとは別の系統の実験機。
横からの写真だとわかりにくいですが、三角定規のような形のいわゆるデルタ翼の機体で、
世界初のデルタ翼によるジェット機。当然、水平尾翼はなし。
本来はロケットブースターとラムジェットという、どこのドイツ帝国さんですか、
というエンジンを採用、凄まじい上昇力を持たせた迎撃機として造られてんですが、
ほぼ実機が完成しつつあった1948年のある日、
奇跡的にも関係者全員がハッと我に帰り、プロジェクトは放棄されたのでした(笑)。
が、冷静になってあらためて機体を見てみると、
せっかく造ったんだし、デルタ翼の実験機にしない?
ということになって、急遽ターボジェットエンジンを搭載、
そのままデルタ翼の実験機となり、思った以上に貴重なデータを提供します。
例の超音速爆撃機ハスラーから、後で出てくるデルタダートまで、
コンベア社の「デルタ翼一直線カンパニー」の基礎を築いた機体なのでした。

九十九里海岸に打ち上げられたマンボウのような機体、その名もダークスター。
いや、この博物館における最大の発見は、どんなにとんでもない形状であろうと、
結構飛んじゃうもんなんだなあ、という一点につきます(アブロ自動車を除く)。
しかし、まあ、なんだこれ(笑)。
実は、これも無人偵察機なんですが、例のグローバルホークと違い、
完全自律型、一度飛行ルートをプログラムしてしまうと、
離陸から着陸まで「一人でできるもん」状態でこなします。
また、グローバルホークのようなFAC的な「戦闘指揮システム」は搭載せず、
純粋な偵察目的で飛ぶ機体らしいです。
この薄い機体のどこにエンジンが?という感じですが、ジェット機だったりします。
で、もはやおなじみ「衛星データリンク」にて偵察映像はリアルタイム送信されるとか。
この機体、一号機は1996年の2回目の試験飛行でいきなりクラッシュ、
マジかよ、と関係者をあわてさせますが、1998年6月に二号機が初飛行、
その後は順調に開発がすすんだようです。
が、結局1999年、グローバルホークがあればええやん、
ということで予算がカットされ、プロジェクトは中止となったとか。

パイパー PA48 インフォーサー(ENFORCER)。
なんつーか、よくわからん機体で、対ゲリラ、テロリスト用の
対地攻撃機として、P-51の機体を再利用、
ターボプロップエンジンを搭載して、究極進化のムスタングを目指した機体。
…だったんだけど、造ってるうちにいろいろ問題が出てきて
改良、改修をしてたら、実質的に新型機となってしまってたらしい(涙)。
そもそも、最初の機体は1970年前後、例のOV-10ブロンコなどとの競作機として
ムスタングの再生機の製造で知られるキャヴァリエ社で造られたもので、
これはほとんどP-51の改造機だったと思われる。
で、ここからが理解に苦しむのだが、その機体をパイパーが買収、
どういうわけか1979年に空軍から開発予算を獲得してしまう。
で、1983年から84年にかけて再度採用テストが行われるのだが、
「悪い機体じゃないけど、今さらいらない」
という、そりゃそうだ、といった理由により不採用となります。
で、この機体、そもそも空軍に正式されたことは一度もなく、
PA48というのはパイパー社の商品名で、「法の執行者」とでも言う意味の、
インフォーサーという名も同社が勝手につけたものらしい。
うーん、よくわからん機体だ…。
ちなみに、ターボプロップのジェット排気が出てくる排気口は
機体左側のみに付いてる上、これ、ほとんど横向きに排気してるので、
ほとんど推力として活かされてません。
ひょっとして、エンジン回転へのカウンタートルクとしてる…?
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