■朝鮮半島の気の毒

というわけで、ここから朝鮮戦争のコーナーにようやく突入。
英語でThe Forgotten war、忘れれた戦争とか呼ばれてる戦争で、
実際、当事者のアメリカどころか
現地となった朝鮮半島のみなさんですら忘れてる印象があります。

東ヨーロッパや中近東以外、まあ東アジアにおいてもっともヒドイ、
というか気の毒な歴史を持つエリアが朝鮮半島でしょう。
(この悲劇全てにユーラシア中心部の草原にいた騎馬民族が絡んでる、
というのはよく考えるとすごい話だ。
現代に続く地理的、歴史的悲劇の多くは連中がトリガーを引いてると言っていい)

中華文化閣下が文字による記録を残すようになった後だけでも、
モンゴル方面の騎馬文化圏兼移動国家の侵入を受けまくり、
その合間合間には中国本土からケチョンケチョンにいじめられ、
その上、まさかと思ってたとなりの田舎モンの島国からまで侵略されます。

が、その数ある侵略の中で、その被害のデカさ、
となると、恐らく元による侵略占領、秀吉の二度の侵略に匹敵するか、
それ以上の損害を食らってるはずなのが、この朝鮮戦争です。
半島の皆さんは、いいように代理戦争に巻き込まれたことについて、
旧ソ連であるロシア、そしてアメリカに、もっと怒っていいですよ、ホント。
なんであんなに淡白なんだ。

ついでに言うと、戦後日本が奇跡とも言える復興を遂げたのは、
この戦争でアメリカがうんざりするくらいの現金を日本でバラまいたから、
というのが最も大きく、これがなければ今の日本は無かったでしょう。

さらについでに言うと、イギリスあたりで「忘れたられた戦争」
と書いてあるものを読むと、なんと太平洋戦争のことだったりしますので、
ちょっと注意(笑)。


はい、朝鮮戦争といえばこれ、ノースアメリカン F-86セイバー。
セイバーの綴りは救助者、SAVERではなく、SABREで、フランス語読みでサーベル。
英語読みでセイバー。ともに細身の剣を意味します。
ピカピカな細身の刀のような機体のイメージから取られた名前ですね。



ついでに余談ながら、モンゴル語でベルトのバックルを「サーべ」と呼ぶらしい。
で、我々が普段身に着けてるズボンもベルトも元は馬の背にまたがるために
騎馬民族が発明し、連中がドドっとヨーロッパに押し寄せて来た時に伝来しました。
でもって、サーベルは騎乗用の刀です。…偶然ではないような。

余談ながらスターウォーズのアレはライトセーバー。
ガンダムのアレはビームサーベル。
…パクるならもう少し堂々とやった方が潔いのではないか。

この機体はRF-86Fで、RはReconnaissance、偵察の頭文字ですから写真偵察型。
コクピット下にあるふくらみがカメラ収容部です。

…はい、皆さん、気が付きましたか?
あそこは、機関銃が入ってるはずのスペースです。
どうやってカメラまで積み込んだの?というと、機関銃は下ろしてます。
え?ついてるじゃん、というのは罠で、機首の銃口はペンキで描かれた絵(笑)。
敵機に非武装というのがバレないよう銃口を描いた、と言われてますが、どうかなあ。

実際は、この機体、戦争終了後の韓国内の基地からソ連領内の偵察飛行を行う、
というのが主要任務の一つだったので、存在そのものが秘密でした。
なので、見たことのないセーバーがいるぜ、非武装だぜ、偵察型か?と思わせないよう、
「いや、私、ただのF86Fですから、ホント、ホント、いやちょっとハチにさされて…」と
すっとぼけるため、というのが多分、これが描かれ理由なんじゃないかなあ…。

ちなみに航空自衛隊に配備されたRF-86Fもこの
「なんちゃって銃口」が描かれてました。

実はRF86Fは朝鮮戦争に間に合ってません。
戦争中に飛んでいたのはA型を改造したRF-86Aだったはず。
遠いなあ、本当の朝鮮戦争の展示…




リパブリック F-84E サンダージェット。
P-51ムスタングを産んだノースアメリカンの後継機が上に出てきたセイバーなら、
P-47を産んだリパブリックの後継機がこのサンダージェット。

はい、ようやく朝鮮戦争時代に突入しましたよ(笑)。

アメリカ空軍が陸軍から独立した後に量産が始まり、戦後初のジェット機となりました。
が、戦中から生産の始まっていたF-80から見ればまだ進んでいたものの、
その設計思想は基本的に古く、朝鮮戦争が勃発した段階では
すでに旧式になりつつありました。
当初は戦闘機として投入されてますが、Mig-15が登場後は、
地上攻撃を主任務に切り替えて使われたようですね。
ちなみに、どうも世界初の核武装可能なジェット機でもあるらしい。



B-29ウォークスルーがありました(笑)。
胴体下を黒く塗ってることからわかるように、
朝鮮戦争中は主に夜間爆撃機として使われてます。
空のチョー要塞もMig-15相手に昼間堂々と爆撃するのは
危険すぎてできなかったのでした。

しかし、これ爆撃手席をぶっつぶし、本来ドアなんてない
真正面から入る構造でして、正直、ちょっとガッカリ感あり…。



一段低くなっている爆撃手席は完全に潰されてます。
よほどアタマをぶつける人が居るのが、クッション付きの入り口。



爆弾倉の上にフタをして見学用通路としてる…とかいうレベルではない大改造済み。
ほとんど原型をとどめてないでしょう。
天井には蛍光灯まで付いてます。

多分60年代とか、あんまり難しい事を考えなかった時代に、
気軽に造られた展示品なんでしょうね。
中央上に見えるチューブが、本来胴体後部とコクピットを結ぶ通路です。
通路といっても、あの中を這って進む、というシロモノですが、
米軍機、この構造、意外に多いですね。
通路の上が明るいのは、観測用の天窓があるから。

で、この通路の下が、本来は全部爆弾倉になっていたはずなんですが…。
まあ、いろいろあるよね。

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