■上海にてデフォルメ

というわけで、ペロ君、予想以上という日本語では生ぬるい、というくらい
長期連載になってしまった当旅行記も最終回、当然、このオマケも最終回だ。

「まあいろんな意味でホッとしました」

でもって、最後のお題がこれだ。
例の本屋で売っていたマンガの書き方入門。

「買ってたのかよ!」



この時は時間ギリギリだったんで、
適当に選んだんだが、これはデフォルメキャラ編の本でした。
Q版というのが中国語でデフォルメキャラのことらしい。

「あ、これも中国語の意味、なんとなくわかるなあ」

超級は中国でよく見る修飾表現で、まあ“スーパー”という意味だね。
余談だがスーパーマーケットは中国語で超級市場と書く。
で漫画素描技法にいたっては日本語みたいなもんだ。



ちなみ裏表紙(表4)にはシリーズ本の紹介があったよ。

「美少女編…」

中国語になってるんだねえ、美少女。

「つーか、その隣、透視編てなによ?妄想による裸婦デッサン?」

いや、これは透視画法、三点透視とか、そういうマジメな内容じゃないかな。
表紙からは想像もできないが(笑)。



でもって、内容はこんな感じ。
7頭身キャラから2頭身キャラまでのデフォルメのやり方。

「これでわかるものなの?」

中国語の本文が半分も読めないので微妙だが、
昔の職人さんがよく言う、見て覚えろ、的な投げやりさは感じるなあ。
もっとも、基礎編は別の本になってたから、
ある程度もう絵は描ける、という前提なんだろうけども。
まあ、後はガッツでカバーだよ、ガッツで。



「あ、なんか本格的ジャン」

目は中国語では眼晴、中国語で「的」は日本語の「の」と同じ使い方をするので、
左が“現実の人物の眼”、右が“漫画人物の眼”だね。
漫画的な目の描き方の基礎知識だ。

「結構、的確に特徴を把握してるね」

まったくだ。これぞ日本の漫画的表現の目だね。
さらにイイカンジなのが“漫画人物の眼”の解説文だ。
一番上に書かれてる“大眼晴在五官中非常突出”、
つまり感覚器官の中で眼が非常に突出して大きく描かれる、
という意味で、これ、ある意味日本的な漫画表現の真髄かもしれない。

「非常突出ってわかりやすいな…」

もっとも、五官が仏教用語の五官なら触覚と味覚を含むから、
それって絵的に最初から入ってない、という気もするが…。中国的ユーモアかなあ…。

「下の“大大減少了眼白部分”も、白目が少ない、という意味なら確かにその通りだ」

大大減少もカッコイイ言い回しだよね。
はい、では眼の描きかたを理解したところで、実際に描いてみようね!



「…全然、使われてないじゃん、上のアドバイス」

だねえ…。
完全に無視だ。つーか、個性という言葉でごまかすには、
まあ少々なんというか…という感じの…

「でも、あんたよりは絵、うまいよ」

まあ、そう言われればそうかもしれんが…。
とりあえず、左上の普通型から、さまざまなタイプの眼を描いてるわけだ。

「四白眼ってなんだ」

白目が上下左右に入って、点みたいな状態になってる黒目がある目の事を言う。
四ヶ所に白目ができるでしょ。で、四白。

「怖いよ、それ」

怖いよねえ。
人相鑑定で使われる用語なんだけど、絵にするとシュールだ。
右下の双眼皮と単眼皮は二重マブタと一重マブタの事のはずなんだが、
なんか眼球の表現まで変わってるので、別の意味があるのかも。




次は鼻の描き方だ。花子、否、鼻子は中国語で鼻のこと。
まずは“現実人物の鼻”から。

「かなりしっかり解説してあるね」

キチンとした内容だろうね。
ついでに上の本文の最初の一行目、
“鼻の絵を描く場合、人物の年齢、性別により描きわける必要があります”
というあたりも結構、漫画表現の核心をついてるような気がするぞ。

じゃあ、実際に描いてみようか。



「これも上で解説されてる知識いらないじゃん!」

右の“Q版人物”では単なる点一個になってるからねえ…

「左の漫画人物の鼻も微妙だぞ。なんか20年位前の少年サンデーみたいだ」

ムチャクチャな表現だが、なんとなく言いたいことはわかる(笑)。
正直、ちょっと古い表現だと思うが、今でもこういう絵で描いてる人、実際にいるから、
必ずしも間違いではないと思うぞ。

「左下のカタカナの“イ”みたいのも鼻?」

だろうね。多分、日本の漫画のどこかにこういう表現があったんじゃないかなあ…。
ここら辺、鼻だけ抜き出して描くとちょっとアレだが。
とりあえず、こんな感じで、結構理論的に絵の描き方が解説されてるわけだ。

最後にここまでの知識を活かして、実際にデフォルメキャラを描いてみよう!



「あー…」

まあ、ね。
この本、理論的名部分は結構しっかりしてるんだけど、
実際の絵がかなり微妙なんだ。

「全部こんな感じ?」

全部こんな感じ(笑)。
一人の描き手さんで一冊全部担当してるんだろう。
正直言うと昭和の売れな4コマ漫画的な絵、という感じではある。

「でもあんたよりはウマイよ」

まあ、下を見てもしょうがない。
これで中国12億にデフォルメ絵を描かせよう、
っていう本にしてはちょとキビシイぞ。

「いや、誰もそこまでは考えてないだろ」

とりあえず他の本の内容もちょっと見てみたかったね。
1冊30元(420円)程度だったから、買ってこれたんだが、
荷物になるんでやめてしまったんだよ。
少しくらいガマンして、やはり買っておくべきだったか…。

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