■迷走しながら瞑想

さあ、ペロ君、今回は上海の交通事情についてだ。

「さいですか」

ペロ君は信号の色の見方は知ってるよね?

「…犬に色の話題をふるなよ…。赤が停まれ、黄が注意、青が渡れ、だろ」

正確には、青信号は国家が保障するから渡れ、
黄色は根性で渡れ、赤信号は渡れるもんなら渡ってみな、だ。

「いや、それ絶対違う」



が、上海は違う。
青は渡れ、黄色はまだ渡れるよ、赤は渡らないと損だぜ、となる。

「なんじゃそりゃ」

とにかく、信号が意味を持たないんだよ(笑)。
公共バスが赤信号に突っ込んで行き、青信号で侵入してきた相手と
どっちが先にブレーキ踏むかのチキンレースをやる国はさすがに他に記憶がない。

「マジかよ」

いや、ホンマ(笑)。一般歩行者もワイルドで、連中にとって道路は通るものではなく、
スキがあれば渡るものなのさ。
人の流れに乗って歩いてて、赤信号なので停まったら、
その場に私一人が取り残された、なんてのはごく普通。
歩行者がこうだから、車もエサの時間を間違えて慌てた放牧中の馬みたいにワイルドで、
青信号で渡ってる歩行者にクラクション鳴らして突っ込んでくる。
そのクラクションもスゴイ。
“金払ってるんだから使わなきゃ損ヨ” “それもそうネ”
とばかりに、何かといえば直ぐ鳴らす。
初日はけっこうビビッタが、二日目からはクラクションくらいでは
気にもとめなくなっていたよ。

「せちがらいねえ」

基本的にセッカチなんだろうな。
例の地下鉄の次回列車の時刻表示もそうだが、もう一つビックリしたのがこれ。



「なんだこれ?」

歩行者信号。ホントは下で青信号が点滅してるんだけど、
たまたま消えてる瞬間を撮影してしまったのよ。

「数字が出てない?」

出てる。これは青信号の点滅が始まると10あたりから表示がスタート、
だんだんとカウントダウンされて行き…



…0が表示されるのと同時に赤信号となる。

「おお、なんか自爆装置みたいでカッコいいね」

まあわかりやすいって言えばそうなんだけど、結構ドキドキするぞ、これ。
あ、あと10秒しかない!急げ!ってな感じで。
でもね、冷静に考えると、10m道路を歩いて渡るのに、10秒もかからないんだよ(笑)。
必要以上に焦らされる気もする。


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