■戦争はとっても贅沢だ



「ええと?」
おそらく1943年か44年のサンクス ギビング デーのスペシャルメニューの張り出し。
まあ、アメリカではちょっと大きな年末の祭日で、ご馳走が出たわけだ。
「ヘー」
で、料理の名前には弱いのだが、少なくともクリーム トマト スープ、塩味クラッカー、ルイジアナのエビ料理、
ローストされた七面鳥、さらにフルーツカクテル、ホームメイドケーキ、パンプキンパイ、
などを提供できるよーん、みたいなことが書いてある。
「Uボートじゃみんなでジャガイモ…」
なあ。
あまりにすごいんで、一瞬、何かのジョークかとも思ったが、
そんなことしたら艦内暴動につながりかねんからなあ(笑)。
もしかしたら士官専用とかもしれないが、出されたのは事実だろう。
「すげえなあ。戦争中の軍艦の中だろ」
戦争中の軍艦内だ。しかも潜水艦だ。
ただし米海軍は、もっともストレスのかかる潜水艦乗りは優遇してる部分があり、
その勤務中最大の楽しみとなる食事にはだいぶ気をつかってる。
部分的には、普通の軍艦などより食事的には恵まれていた可能性もあるんだ。
「すごいねえ」
すごいんだよ。で、次がその決定版。
「決定版?」



「なんだ、この箱」
ジャーン!アイスクリーム マシ〜ン ジャジャーン!
「はい?」
アイスクリーム製造機。
「はいいいいいいいいいいい?!」
アイスクリームをいつでも好きなときに作れる機械、さ。
「いや、そりゃわかってるけど、…ハイイイイイ?!」
落ち着け、ぺロ君。
「アイスクリームが、なんの役に立つの?潜水艦に」
激しい戦闘の後なんかに皆で食べるとおいしい。
「いや、…はあ。すごいね、ホントに。言葉がない」
ね。
これで驚いていると見落としがちだが、アイスクリームが作れた、
ということは、常に新鮮な卵と牛乳を積んでいた、ということだ。
「ああ!」
まあ、実際にはどれほど使われたのかはわからない。
でも、例の捕虜を必死に救助した後、彼らにアイスクリームを出したりしてるので、
その気になればいつでも作れたのは間違いなさそうだ。
「いやはや、恐ろしいね、アメリカ海軍」
こういう生活観のある比較だとわかりやすいだろ。
勝てるわけがないんだ、こんな軍隊に(笑)。




最後にちょっと笑いをとっておこう。
「なにこのスイッチ?」
上のアイスクリームマシーンのものなんだが、問題は下のボタン。
「スタートって書いてあるからスタートボタンだろ?」
が、このスタートボタン、上下に二つあるんだ。わかる?
「あ、ほんとだ」
で、注目は上のボタンの注意書き。
緊急起動用、となってるんだ。
「はい?緊急用ってなんの?」
うーん、たとえばさ、艦長がアイスクリームマニアとか
「はい?」
副艦長、アイスを食べたいな。
『は、ではさっそく作って…』
副艦長、ア、ア、アイスクリームが、た、食べたい…
『は、ただいま…』
ふ、副、か、か、アアアアアアアアアアイスクリームゥゥゥッゥゥ!
『か、艦長ご乱心!アイスマシン緊急モードで起動!総員、アイスクリームマシンにかかれ!』
…みたいな?
「…いや、それはないから。絶対に」


というわけで、予想以上にてこずってしまったが、
パンパニトを一通り紹介したところで、今回は終わりにしたい。
参考までに一連のガトー級潜水艦は約200隻が建造され、
事故も含めて戦争中に50席前後が失われている。
ざっと25%損耗だから、7割近い損失となっているUボートに比べればはるかにマシだが、
決して低くい数字ではなく、実際、米海軍でもっとも大きな損失を出した部門となっている。
が、その戦果もズバ抜けている。
もう少し、日本でも注目されていい世界かもしれない。

では、次回はリバティー シップでお会いしましょう。
これまた濃いいんだ…。


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