LONDON 2006
SUMMER
途中ははしょって(笑)帝国戦争博物館に到着。
ウォータールーから徒歩10分ほど。地下鉄のランベス・ノース駅からなら5分でしょう。
これ、写真で見たときは地味な建物だなー、と思ってたんですが、実はかなりデカイ。
左下の人間とその大きさを比べてください。アホみたいでしょ(笑)。
スミソニアンの航空宇宙とタメ張れるくらいの広さはあります。

さて、この博物館の巨大な建物、実は結構いわくつきだったりします。
ベドラム(Bedlam)という英単語があります。
イカれた、とか、キチガ●ざた、といった意味です。
この言葉、元はロンドンにあるBethlem
Royal
Hospital(ベツレム王立病院)の俗称でした。
それがなんで、こんな意味になったのか。
それはベツレム王立病院は、世界初の精神病院だったから、なんですね。
そこの患者連中のことを指す俗語から、今のような意味の単語となりました、
それが今回の話となんの関係が…というと、
実はこの帝国戦争博物館の建物、元はその王立ベツレム病院だったものなんですよ。
世界初の精神病院跡を使った博物館(笑)。シュールでしょ。
この建物、病院がこの地に移転して来た1815年に建てられ、その後、1930年に病院が再度移転後、
1936年から現在のような帝国戦争博物館となりました。
ダックスフォードといい、帝国戦争博物館、誰かが移転した後が好きなのか(笑)。
現状の建物は、かつての中央部だけを残したもので、
元は左右に巨大な両翼部がある日本の国会議事堂のような建物でした。
中央の尖塔部分は、博物館になってからつけられたもののようですね。
帝国戦争博物館になって70年ですが、精神病院歴は115年、この建物の主な履歴は精神病院の方なんです(笑)。
さて、ちょっと、わき道にそれてみます。
14世紀から続く精神病院なんて、さすが大英帝国だぜ、という話をたまに見ます。
また、ここが精神病院だった時代、徳川幕府の遣欧使節団に通訳として参加してた福沢諭吉が見学に来てます。
さすがは一万円札の人、そんな時代にわざわざ精神病院を見学に行くとは!
…と、ここまでが前フリ(笑)。
実はべトラムと呼ばれたこの精神病院は、かつて、ロンドンでも人気の見世物小屋(?)でした。
14世紀にはすでに精神病患者を受け入れ、活動を開始してますから、間違いなく世界初。
ただし、治療を目的にしたものではなく、一種の収容所であったこの「狂気の館」は月に一度、
自由に(一説には有料だった)見学でき、
見学者は、患者たちを棒で小突いたりすることが許されていた、といいますから、
いったい、どんな施設だったのかも想像がつくでしょう。
しかしこれがバカ受け、ロンドン市民は見学に殺到します。
ちなみに、よりによってキリスト生誕の町の名をそこにつけたのは、以前の病院は元修道院だったから。
いわゆる「現代的な精神病院」というのとはわけが違うわけです。
1814年には9万5000人近い見学者があったといいますんで、
1回の見学に8000人もの見物客が押しかけていたことになります。
19世紀に入り、ここに移転してから徐々に改善はされていたようですが、
まだまだ、とても「医療施設」とは呼べそうもなく、福沢諭吉が見学に赴いた理由は、
どう贔屓目に見ても物見遊山の域を出ないでしょう。少なくとも、崇高な精神は感じられません。
まあ、世の中にはそういう施設もあったのだ、ということで(笑)。
ついでに、慶応の医学部関係者が「やっぱ諭吉さんは違うぜ」という話を書いてるのを昔読みましたが、
残念ながら、それは違うよ、ということで(笑)。
ちなみにロンドン塔には行った漱石ですが、テームズの南をテリトリーとしてたくせに、
ベツレム病院は見に行った形跡がありません。

ここの建物はかつての中央ホールを中心に残れさており、うまい具合にこれを利用してます。
豊富な外光に恵まれ、撮影条件はいい。
建物、光、展示の仕方とその内容、その全てにおいて「美しい」博物館です。
ここは必見、と断言しておきます。

ホール上部には回廊があり、全体を見回せます。
上の写真とは反対から撮影。ここのホールの展示もそれなりなんですが、
ここのすばらしいポイントは、この奥に延々と続く企画展示施設部分です。
そういや、ここでも荷物検査がありました。
また、この博物館、荷物預かり所があり、見学時には手ぶらになれます。
これは助かった。荷物の多い最終日の見学にオススメです(笑)。
ついでに、ここも入場料は無料。
入るといきなりワンちゃんパラシュート降下中。
これは現在行われてる特別展、「戦争と動物たち」に関した展示で期間限定のもの。
これの直下から3階の会場まで、延々と犬の足跡が続いてます(笑)。
死ぬほど好きだ、こういうセンス。
しかし、ベルファストのネコといい、この犬といい、実はイギリス動物虐待王国なのでは…?
戦車の生まれ故郷大英帝国、第一次大戦時に塹壕突破用に開発されたひし形戦車、それのMk.V(マーク5)。
シリーズの最終完成系、とでも言うべき車体らしいが、ここら辺は完全に素人なので、パス(笑)。
思った以上に巨大でした。
で、帰国してから横がカットされていて、中が覗けたことに気づく。しまった、見てないよ(涙)。
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