■アポロはいろいろ大変だ



アポロ月面活動用の装備品の数々と隔離用の防護服。

気が弱い異星人のような防護服は、万が一、
月から未知の細菌、ウィルスを持ち込んだ場合の供えです。
指令船が海に着水した後、宇宙飛行士たちが着用、
これを着たまま、空母のヘリに回収され、
その後空母艦内に置かれた隔離室に一定期間入って
安全を確認する段取りになってました。
ちなみに彼らを回収する側のヘリの乗員も似たような服を着てますが、
よく見ると細部が違うようです。

その隔離室は2007年の空母USSホーネットの旅行記で紹介しましたが、
今回も、後ほどウドヴァー・ハジー別館にて登場します。
(USSホーネットはアポロ11、12号の乗員回収を行なった空母)

その他は月での活動用のもので、
右下のは鉱物類を採集するカバンですね。



アポロ指令船の主操作盤。
どこまで手動で操縦できるのかよく知らないのですが、
基本的には操縦するというより、機器の動作をチェックする、電源を切る、
といった操作のためのもののように見えます。
ただし展示にはありませんが、この手前にはジョイスティックのような
操縦桿らしきものもあり、緊急時はある程度人力操縦も可能だったのかもしれません。

ちなみに、この前に3人の宇宙飛行士が旅客機のエコノミークラスなみの狭い席に
並んで座っているため、一人でこのパネル全部をチェック、
操作することは不可能と思われ、
おそらく3人で分担して行なってたんじゃないでしょうか。

これは地上訓練のシミュレーターで使われたもので、当然、実機と全く同じものです。



こちらは燃料電池。
左がアポロ宇宙船の、右がジェミニ宇宙船のもの。
どちらも酸素-水素燃料電池で、
酸素と水素が水となる時に産まれる電気を利用するもの。
この結果、水も発生するので、宇宙飛行士たちの
飲料水の確保にも繋がるものだったとか。

左のアポロのものは
なんだかバルタン星人に似てるなあ、と思ったり。



アポロ計画の飛行部門責任者、ジーン・クランツが着用していた白ベスト。
例のアポロ13号事故のとき、彼が着ていたものだそうで、
見事な対応で宇宙飛行士を救った事を記念しての展示らしいです。



こちらは月着陸船の操縦室。
ただしMock upと説明されていたので、おそらく純粋な模型でしょう。
実際、実機のコクピットと比べると結構異なる部分が多いので、
何らかの参考にしよう、という人は要注意です。

正面にコクピットから下方向が見える窓が
2つ付いてる事からわかるように、
指令船に比べると、“操縦する”という要素が大きくあったらしく、
着陸過程は自動でも手動でも可能だったようです。

ついでに先に書いたように、15号以降の月着陸船は
いくつかの変更が加わっており、Lunar Module 2と呼ばれるそうな。


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