■こんなものもありました



同じ第二次大戦時のロケットながら、こちらは初めて存在を知った、
タイニー ティム (Tiny tim)ロケット弾。
小さなティム、といった意味の名前ですが、
アメリカ軍がこういった名前を付ける時の常で(笑)、
これは朝鮮戦争に至るまで、最大級のロケットだったものです。

直径はHVARの倍以上となる11.7インチ、全長は3.12mもありました。
元々はいわゆるバンカーバスター、要塞破壊兵器の一つでしたが、
単発で大型船を沈める能力を持ち、大型の橋梁なども破壊できたそうな。
もっとも、その分射程距離は短く、1500m前後だったとされます。

でもって、あまり強烈なロケットモーターによって発射母機が損傷することがあり、
このため、ほとんど実戦では使用されてないとの事。
とりあえず、沖縄戦と朝鮮戦争で使用された、とされますが詳細は不明です。



お次はNASAが開発した宇宙服の試作型たち。
これ、以前は本館の方にあったような気がするのですが、
今ではこちら、しかもなぜか航空ハンガーでの展示となってます。

…さりげなく、右端に例のマーキュリードールがあったりして、
油断がなりませぬ(笑)。

ほとんど西洋の甲冑ではないか、というハードスーツの左端とか、
予算が無い時代のNASAが造ったのか、
首の回らない右から二番目のとか、興味深いものもあるんですが、
ここら辺りはよくわからん部分も多いので、軽く流します。
ちなみのその首が回らない服、妙に背も高くて、
1m90cm以上あるように見えました。



その続き。
なんだか1950年代SFの匂いがします。

ちなみに右端のは間接部が金属という変なデザイン。
普通、可動部が大きく必要なこういった部分は布製にするんですけど。



お次は言われなきゃ気が付かない微妙な模型(笑)。
アメリカの航空史において、極めて重要なものなんですが、
誰も見てませんでした…。

これはNACAのラングレー研究所に1922年に設置された世界初の
変圧風洞(Variable density wind tunnel)の模型なのです。
ちなみにラングレー研究所はウドヴァー・ハジーセンターと同じ
ヴァージニア州にあります。

以前書いたように第一次大戦時には完全に航空後進国となったアメリカが
1920年代を通じて世界の最先端に躍り出る原動力になったのが、
NACA(National Advisory Committee for Aeronautics)、
国家航空諮問機関の活動でした。
後に宇宙開発も統括する事になって、NASAとなる組織ですが、
この組織によってアメリカの航空技術は一気に進化する事になるのです。

そのNACAの活躍は、1922年にこのラングレー研究所の変圧風洞が完成し、
さまざまな形状の機体、主翼の風洞実験が可能になった事で始まりました。
先に見たライト兄弟の、日曜大工で造れそうな風洞から、20年で
ここまで風洞は進化したわけですね。

ちなみに変圧というのは、内部の気圧を変えられる事を意味するのですが、
これによって地上よりはるかに空気が薄い高度3000m以上での
機体の挙動、主翼の揚力の状態などが高い精度で実験可能になったようです。

さらに大気密度を変えるとレイノルズ数も変わるはずなので、
実物大でない、模型による実験での気流の再現性とかにも
影響があったような気がしますが、ここから先は
流体力学の世界に入ってしまうので、私にはよくわかりません(笑)。

ちなみに、よくみると矢印の部分に単葉の航空機模型が置かれてるんですが、
はたして1930年ごろまでしか使用されなかったこの風洞で、
こんな機体の試験が行われてたかは、微妙な気がします…。


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