さて、日本橋を突破した後も、川の上には首都高が延々と続きます。
一帯は左右に高い護岸がある上に河岸ギリギリまでビルが建っているので、地上から日本橋川を見るのは、飯田橋〜九段下周辺の一部以外では不可能。ゆえに私は幻の川と呼んでおります。今回の水上訪問で初めて見る&予想外の発見が連発される事になったのはそのためです。

ついでに日本橋の上を高速道路が通って居るのは景観上良くない、と言う話を見ますが、そもそも高速道路を撤去したって川なんてほとんど見えないんですよ。むしろこの上に遊歩道を造って水面上を歩き回れるようにしませんか?私が知る限るでは、こんな風景が延々と続く場所は、世界中でもあまり無いですよ。

 

水面からの移動で初めて知ったのですが、日本橋の先で、川はかなりの急角度で右に曲がります。ちなみにこの左手の奥が東京駅ザマス。



その先にあるのが「新しい方の」常盤(ときわ)橋。
例によって関東大震災後の1926(昭和元)年掛けられた鉄筋コンクリート製の橋。個人的には風情あって好きな橋の一つ。東京駅と日本橋地区を結ぶ橋でもあります。ちなみにこの右側に日本銀行があるのですが、残念ながら水面からは見えず。



それを潜った先にあるのが旧常盤橋で、これは江戸城の常盤門に入るため日本橋川(当時は外堀)にかかっていた橋を明治期に石橋にしたもの。妙にキレイなのは昨年、2021年5月に8年に渡る大修復工事が終わったばかりだから(そもそもは2011年の震災で破損したための修理だったのが、いつの間にか大改修になってしまったため、十年以上に渡りずっと工事中だった。よって若い人など、ここに橋がある事を知らない人も少なくないと思う)。これを渡った右側にあるのが日銀の古い建物ですね。ここからは見えませんが…

左側には江戸城の常盤門があり、そこに掛かっていた木製の橋が常盤橋でした。現在のものは1877(明治10)年に架けられたものですが、城門跡、いわゆる常盤橋見附の石垣は江戸期のモノがほぼ原型を留めています(後部がやや道路に削られてるが)。
ちなみに、この常盤見附から赤坂見附までが全て江戸城の中でした(約3q。ただし外郭部も含む)。現在の都心部はほとんど飲み込まれてしまう広さで、よくまあこんな城砦を造ったな、と思いますし、現存してる間に一度は見て見たかったと思います。



この橋は昔から好きな場所で、改修前にも何度も渡ってますし、改修終了後にも既に二回、来てます(東京駅、あるいは地下鉄の三越前駅が最寄り駅。だたし我が家からは自転車で行ける)。ですが、水面からの訪問はこれが初めて。ちょっとキレイにしすぎ…という気もしなくも無いですが、やはり美しい橋です。

NEXT