まず最初に現地の地図で今回歩き回る北海道大学植物園を見ておきましょう。
東西南北に約400mほどの正方形の施設ですが、微妙に方角はズレてます。というかこれは札幌の街の構造そのものが厳密に東西南北の格子目状になってないからですが。この辺り、最初に測量ミスやったのか狙ってやったのか未だに判らぬところです。

余談ですが、公式サイトでは北大キャンパス、札幌駅、北海道庁、そしてこの北大植物園といっしょになぜか札幌競馬場の位置が紹介されてます。…なんで?札幌の競馬場ってそういった位置付けなの?まあ、実際、旧帝国大で半径50q以内に中央競馬会の競馬場が無いのは東北大学だけなんですが。

さらに余談ですが中央競馬は開催数が多いため確率統計の分析対象にでき、やってみれば判りますが、どの枠番号のウマが勝つかはほぼ乱数で理論通りの分布になります(n番枠のウマが勝つ確率は長期的には5%以下の誤差で1/出走数になる)。すなわち最後は完全に運です。長期に渡って続ければほぼプラスマイナスゼロに近い収支で墓場に行く事になるでしょう(長期的にはランダムな数字の組み合わせでも厳密な予想でもその間に勝率の差はつかない)。よって私は手を出しません。当然、標準偏差三倍の外に居る人は必ず出るので、万に一人位は生涯勝ち続けますが、それが運なのか予想の能力なのかは証明の手段がありませぬ。当然、逆も然りで、生涯に渡って負け続ける人もまた居ます。
この点、ほぼ確実にマイナスになるパチンコ・パチスロよりはマシなんですけどね。

話を戻しましょう。
個人的には本人の言葉が素晴らしいのではなく、Ambitious を「大志」と翻訳した人が凄いのだ、と常に思っているあのクラーク博士の発案で造られたのがこの植物園なのだとか。
(私なら“諸君、野心的であれ”と平凡に訳してしまい、何の疑問も感じない。Boysをそのまま少年に、そして大志を抱け、という日本語を組み合わせたセンスは凄いと思う)
ちなみに、この園内の泉は天然の湧き水で、このため日本人の入植前にはアイヌたちがこの一帯に集落を築いていたようです。



その入り口。雰囲気有りますね。
東大が引き継ぐ前から植物園だった東京の小石川植物園が日本最古の植物園なんですが、それに次ぐ二番目の植物園だよ、ただし近代的な植物園としては日本最初だよ、と現地の案内にありました。だが近代的植物園って何?という説明は見当たらず。でも確かにものすごい場所でした。美しい、ひたすらに美しい植物園なのです。



入り口を入ったところ。ちなみに入場は有料で500円ほど。ただしそんなのタダみたいなものだ、という世界が見れます。でもって今確認したら冬季は閉鎖されちゃうみたいですね、ここ。

左に見えてるのが門衛さんが居る番所ですが、鍵が掛かってるじゃん、人も居ないじゃん、と思って見たらなんと重要文化財でした。明治44年(1911)に完成したものだとか。前にも書きましたが明治、大正期の近代建築に関しては空襲を受けず、しかもお金が無くって建て替えが効かなかった札幌は楽園状態なんですよね。この建物も好き。



でもって園内にはこういた巨木も見られ、思わずニヤケてしまいますな。いい感じのいい予感が致しますな。



入り口の横に温室の展示があり、まずはここから見て行きましょうか。

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