その先はアメリカ第七艦隊のイージス艦がズラリと並ぶ一帯。
手前に居るのアーレイバーク級のDDG-89 マスティン(Mustin)。2001年就役なのでピチピチの18歳という事になります。実際、先に見たバリーよりは二世代ほど新しい、いわゆるフライト(Flight)II A世代の艦です(厳密にはFlight IIA: 5"/62)。

高価なイージス艦のアーレイバーク級とはいえ、艦隊の馬車馬、駆逐艦ですから世界を股に掛けるアメリカ海軍は全80隻を超える数を建造予定で、一号艦のアーレイバーク級が就役してから31年経った2019年現在もまだ建造中だったりします。
でもってそんだけ長い期間だといろいろ設計変更、電子装備の近代化が行われる事になるわけです。アーレイバーク級では改修された各世代をフライトと呼び区別しています。
最初の無印が21隻、次のフライトIIが7隻、その改良型であるフライトII Aが46隻(II A型は装備によってさらにいくつかの世代がある)、そして恐らく最終型であるフライトIIIが現在建造中(2023年ごろから就役)、という形になってます。ほんとすげえな、アメリカ海軍。



その先で、自衛隊の大型護衛艦、これからF-35B 搭載の軽空母に改装予定のDD183 いずも の横を通過する。
あれ、ひゅうが じゃないの?と思ったら ひゅうが は2015年に舞鶴基地配属になったんだとか。よって現在は いずも が横須賀にいるわけです。外から見るとどっちがどっちだか全く判らんので艦内アナウンスで言われるまで気が付きませんでした。

ヘリを最大14機積めるそうですが、どういった運用を前提に設計された艦なのか私にはよく判らず。
ちなみに全長248m、全幅38mは、旧海軍の中型空母、飛龍、蒼龍より少し大きく、正規空母の瑞鶴、翔鶴より少し小さい、という大きさになります。まあ第二次大戦時代の空母の規格であり、これとF-35Bをもってして21世紀の海軍に何ができるの?と問われれば、私は自信をもって災害派遣に最適、と答えます。


その先は海自の護衛艦の停泊地。ずらりと並ぶんですが、みなちゃんと艦首を前に横並びにバックで駐車しており、すげえなと思う。



と、唐突にその中の一隻が出港して行く。護衛艦の入港接岸は何度か見た事があるのですが、出港は初めて見ました。艦首を前に停泊してるので、曳航船とかの手助け無しで、普通にスーッと出て行ってしまいます。あ、そうなのね、と思う。

前後の5インチ砲の昔懐かしい形状からして年季が入ってるなあ、と思ったのですが後で確認したらDD 171はたかぜ でした。1986年就役ですから艦齢33歳、そろそろいろいろあるお年頃、という艦ですね。調べて見たら来年2020年の春には練習艦に転籍される予定だそうな。となると呉送りですかね。



どんどん出て行きますが、よく見ると艦の横にカッター、連絡用の手漕ぎボートを降ろしてる。あのまま進むの?なんかの罰ゲーム中?とか思ってたら間もなく停船。でもって、この艦が軍港巡りの船の前を横切ってる間は、やや減速して見送る事に。

ちなみに海上では相手を右舷に見る側に回避義務があるんですが、真正面から出港して横切る場合、海上衝突予防法とかどうなってるんでしょうね。
とりあえず今回は小型艦であり、さらに商売の上で完全にお世話になってる軍港巡りの船が道を譲った形になります。


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