■シク教徒の本場



さて、お次はどこに?とタクシーの運転手さんに聞くと、シク教の神殿だとおっしゃる。
ええええ、マジで。それは見たい見たい、と思ってたらなんだかビルの地下のような場所の駐車場に入る。
あれ、こっから歩くの?と思ったら、この上が寺院だとのこと。
あれま、意外に近代的、と思いながら階段で上に出る。



なんか観光施設っぽい感じの回廊部に出る。
手前の看板はパンジャブ語でしょうか。

ついでにその横にはシク教徒向けの仕事、なる看板も。
こちらは英語で、さらにこの神殿内、他にも各所で英語の表示がありました。
ヒンズー教、イスラム教の施設では見られなかったもので、高学歴の知識層が多いのでしょうか。



そのすぐ前が入り口の門でした。
左右の門扉に見える草模様はイスラム風なんですが、奥の神殿本体はイスラム教的といよりは
ギリシャ正教の流れっぽい形状ですね。転職とかも出来そうな神殿だなと思う。
まあ、地下に駐車場があるような近代建築なので、そんなに真剣に考えても仕方ないでしょうが。

ここはグルドワーラ バングラ サーヒブ(Gurudwara Bangla Sahib)という
デリーのシク教徒の本山みたいなものらしいのですが、
ニューデリー地区ど真ん中の一等地であり、よくこんな場所に建てたな、という感じです。

ちなみにグルドワーラはシク教の神殿を意味します。
グル(尊師)への扉、といった意味らしいですが、ややこしい事にシク教には人間の宗教的な指導者としてのグルと、
シク教の聖典であるグル・グランド・サーヒブを指すグルがあるんですが、ここでは後者の事で、
この聖典を収めてある神殿、といった意味になります。

でもってシク教はイスラム教の影響を受けた一神教ですが、いろいろ変わった特徴を持ちます。
グルの扱いもそうで、宗教設立から18世紀初頭までは10人の人間の主導者、グルが居たのですが、
その後、彼らが書き残した聖典、グル・グランド・サーヒブがグルの代用とされ、
人間の最高指導者は存在しなくなってしまうのです。

ちなみに今回お世話になったKobikky さんの居住地であり日本の自動車メーカーが集中する
グルガオン(正式には2016年以降グルグラム)のグルは英語表記だとGurgaonで見逃しやすいですが、
実際はこれもグル(Guru/尊師)の事で、尊師の居る集落、といった意味らしいです。




周囲は真っ白に統一されており、床は大理石っぽい感じでした。

ちなみにこの神殿、1664年の設立、と書かれていてビックリしたのですが、
帰国後確認したところ、やはり現在の建物はほぼ戦後、1947年以降の建築だそうな。



こちらは入り口の横にあった謎のブース。
売店?と思ったんですが、どうもシク教徒の皆さんがやってる慈善団体、
主に医療系の支援を行ってる団体の案内所みたいでした。
ただし詳細は不明。

あれま、そんなのがあって、しかも表示は全て英語。
なんかすごいな、シク教徒の皆さん、と思いました。
ついでに総ガラス張りなのは冷房入ってるから?


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