■意外にいろんなものがありにけり



でもってアメリカ初の有人宇宙飛行、マーキュリー計画の4号機、オーロラ7もありました。
いや、意外にすごいなこの博物館。
アポロより少ない6機しかない有人飛行カプセルですから、貴重です。
(2番目に飛んだリバティー ベル7は着水後水没したのだが、1999年に海中から引き上げられたので全機現存する)

マーキュリー計画では選抜された7人の宇宙飛行士がマーキュリー7(セブン)と呼ばれたため、
全ての宇宙船の呼称(Call sighn)に“7”が付きます。7号、という意味ではないのに注意。
もっとも、実際の宇宙飛行船は6号までで打ち切りになってしまうんですが、
これはディーク・スレイトン(Deke Slayton)に病気が見つかったため飛行禁止になったからで、
別に彼が嫌われていたからではありません(笑)。
ついでにスレイトンは、後に病気を克服、アポロ・ソユーズ計画で51歳の年齢を押して宇宙飛行士となりました。
この人も、スゴイ人ではあります。

余談ですが、1960年代末から“7”ブームが世界を襲うのですが、この1959年4月に抜擢されたマーキュリー7(セブン)も
そのブームの中の一つで、のちにウルトラ セブン(1967年)の名は、この影響じゃないかなあ、と。

ちなみに“7”ブームの先駆けは、私の知る限り黒沢明の「7人の侍」で、これが1954年公開(1955年全米公開)、
その後に1957年にスポーツカーのロータス セブンが登場
(これはロータス 6からの正当進化だがセブンの知名度の方がずば抜け居てる)
同じ1957年にはボーイングが707と二つも7が付いてる名前を自社の旅客機を唐突に命名してます。

そして1959年に、このマーキュリー7が登場、
その後60年代入ると、1962年に007の映画が公開(小説はそれより古いが007の名を強調してない)され、
その後、日本では1967年にウルトラ セブン、69年にマンガのワイルド セブンが始まり、
さらに同年、タバコのセブンスターが発売される、という
世界中が7だらけ、だったのがこの時代です。
順番からして、どうも7人の侍が、全てのきっかけ説を私は取るんですが、どうでしょう。
(英語のタイトルは Seven samurai)



ここはかなりじっくりコクピット内を見れます。
意外に計器だらけで、操縦席っぽいですが、ドカンと打ち上げて宇宙空間に出たら、
後は黙って飛んでるだけ、のマーキュリーカプセルに操縦機能はほぼ無く、
あくまで宇宙飛行士を安心させる程度のものとなってます。



大気圏突入の際の熱防御シールドが半分剥がされて、その中が見れるようになってます。
これは初めて見ました。

余談ですが、大気圏突入の高熱は大気との摩擦熱ではなく、
衝撃波背後熱だ、というのは何度も書いてますからもういいですね(笑)。
これは断熱圧縮ですから、よく見る断熱圧縮による加熱、という説明でも間違いでは無いですが、
その断熱圧縮はどうして起きるのよ(何もない空間で大気が逃げないで圧縮されるのはなぜ?)
という疑問には、一切答えてないので、説明としては30点の赤点でしょう。
あくまで、音速の壁ががあってエネルギーが逃げれない状態で起きる話なので要注意。



ほぼ同スケールで、宇宙ロケットの展示が。
奥がアポロ計画で使われたサターンVロケット、手前がスペースシャトル。
こうして見ると、いかにサターンロケットがデカいか、アポロ計画ってのがベラボーな計画だったか、
がなんとなく判るかと。

といった辺りが、ここの宇宙展示となります。
では、後は目ぼしい展示を一気に紹介してしまいましょう。

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