■いろいろあるのだ



こちらは勲章やらバッチやら。
解説ごと載せときます(手抜き)。
一番上のは、鉄十字章の一番下のもの、2級鉄十字章らしいです。
U-505の機関長が持っていたものだとか。



Uボートの対空兵装の一つ、2連奏20o機関砲、2p Flak 38。
20o 2連装はやはりそれなりの大きさになります。
実際にU-505に積まれてたものは、例の沈没騒ぎで捨てられてしまったようですが、
これはこれで本物でしょう。

それでも航空機に対する射程距離やら目視で撃つことを考えると、気休め、という気もしますが、
生き残ったUボート艦長の回想を見ると、意外に航空機を撃墜した、という話が出て来ます。
ホンマかいな、とも思いますが…。
ちなみにこれはマガジン給弾でした。



その銃弾。実際にU-505に積まれていたもので、8500発積まれていたそうな。
黄色い識別色は弾頭が爆発して、その破片で損害を与える、HE弾らしいです。



ドイツの暗号と言えばこれ、のエニグマ。
もっとも、U505鹵獲時にはとっくに解読はされてたので、この機械よりも、
場所や日時の信号コードの数字を載せた暗号コード表の方が、鹵獲品としては重要だったのですが。
2台展示されてますが、実際、当時のUボートには故障対策なのか、2台ずつ積まれてました。

ちなみに右端の赤いのが暗号コード表で、なんかデカいのはオモリつきのカバーだから。
いざという時は、これを海に捨てて沈めるのですが、U-505ではそのまま艦内に残されてました。
なんとなく、1944年当時のドイツのUボート乗組員の士気と質がうかがえる部分となってます。

ちなみに潜水艦から暗号コード表の回収、というのはアメリカの得意技で、
日本軍相手にもこれをやってます。



エニグマ装置、近くでみるとこんな感じ。



こちらは、その交換式の心臓部、回転歯車(ローター)。
エニグマ内部には暗号用に4つの回転歯車があり、1つは固定でしたが、
残りの3つは交換式で、これを正しく組み合わせないと、暗号の解読は不可能でした。
その交換用のローターは全部で8つあり、あらかじめ指定された日時に、
その中の3個をエニグマに入れて使用します。
その組み合わせ方、そしてエニグマに入れる順番も毎回変わり、
考えられる組み合わせの数は天文学的な数字となって来ます。


なので、その日のローターの組み合わせを知り、さらにこのローターの歯車の仕組みを知らないと
例え装置を手に入れても、それだけでは暗号解読は不能です。
ところが、イギリスはこれを解読してしまったのです。
ただしこの辺り、イギリス人はあまり認めませんが(笑)、先にドイツと戦った
ポーランドの情報機関からの協力が、かなりの貢献をしています。

ついでにスパイ活動では、死ぬほどドイツが嫌いなフランスとポーランドを占領下におく
ナチス・ドイツは一方的とも言えるほど不利でした。
特にUボートの場合、フランスのUボート基地で働くフランス人を通じて、情報は筒抜けで、
しかもイギリスは大西洋放送と呼ばれる対Uボート乗員用のプロパガンダ短波放送でこれを公表してました。

U-333の艦長だったクレーマーは地上勤務中、別の艦の同僚から、
次の出撃が決まったんだって?と言われて驚いてます。
Uボートの出撃予定は最高機密の一つだったからで、なぜ知ってる?と問い返したクレーマーに、
相手はイギリスが大西洋放送で、お前の出撃予定を放送してたぜ、と教えられ、戦慄したそうな。

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