■さあ展示格納庫だ



というわけで、いよいよこの施設のメインイベント、展示格納庫に突入ザマス。
格納庫(ハンガー)といっても、欧米の博物館によくある、
実際の格納庫を流用したものでは無く、展示用の専用施設です。
とりあえず小さい建物では無いのですが、それでも輸送機など大型機の展示はありません。

現状、すでに目いっぱい展示がされており、今後、F-4EJやRF-4E、
さらにはF-15Jとかの展示が必要になってきたらどうするのかな、という不安はありにけり。

ちなみに私が初めて来たのは2003年ですが、それから13年、ほとんど展示内容が変ってない、
という世界的に見ても極めて珍しい国営の航空(事実上の空軍)博物館です(笑)。
英米はもちろん、タイですら、この手の博物館では、どんどん新しい展示を追加してるんですが…



上の写真を撮影したのは、博物館棟の2階からここに入った場所にある
空中廊下からなんですが、そこの隅にあった展示がこれ。

国賓“等”の等の字に、実はどうでもいい連中も座ったんだけどね、
という隠れたメッセージを読み取ってしまうのは私だけ(笑)?

この先にはこの手の椅子が集団で展示されており、
休憩用のベンチ代わりになってました。



空中廊下は建物の奥で1階に降りるスロープとなっており、
このため、いろんな角度から機体が見れてちょっと楽しい部分です。



では早速、展示の機体を見て行きましょう。
まずは天井からのぶら下げ展示から。

最初はこれ、イタリアのSVA-9。
1920年にイタリアから日本までの飛行に使われたのがSVA-9の改造機でした。
11機の内、2機が3カ月近くかかってローマから東京までの飛行に成功してます。

…3カ月って、夏目漱石が1900年にロンドン留学したとき、
イタリアまで1カ月と1週間しかかかってないんだから、
それって船よりはるかに遅いじゃん、という感じですね。
(当時の欧米行きはスエズ運河を抜けたらイタリアで上陸、
後は鉄道でドイツ、フランスに抜けるのが普通。イギリスへはフランスから再度船で渡る)
これ、おそらくどこかで故障、修理をやってたんじゃないかと。

後に日本陸軍に1機贈られた、と解説板にはありましたが、どう見てもこの機体はレプリカ。
そこそこ出来はいいですが、まあ、わざわざ見に来る価値はあまりないでしょう。
ちなみにもともとは大阪万博の時、イタリア政府館の前で展示されてたものらしいです。
ここらあたり、レプリカはレプリカ、と明記してほしい気はしますね。


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