■シースルー戦闘機



で、ここの展示の目玉の一つが、これ。
実機の三菱F-1支援戦闘機の整備用パネルを外して、中が見えるようにした展示。
あまり見る機会が無い、ジェット機の中身が見れて興味深いです。

F-1は純国産の攻撃機というか、多用途機というか、やや失敗作というか、
そういう機体ですが、調べてみたら2006年に既に全機引退してるんですね。
まあ、よかったな、と(笑)。



エンジン周りもパネルが外されて丸見え状態。



ジェット戦闘機の機体の後半部は
ほとんどエンジンだけで占められてしまってるのだ、というのがよく判るかと。
F-1のエンジンはヨーロッパ製で、イギリスのロールス・ロイス、
そしてフランスのチュルボメカ(Turbomeca)が共同開発した アド―ル(Adour)エンジンとなってます。
低バイパス(殆どの噴流をそのまま噴き出して推力にしてる)ながらターボファンらしいです。
超音速機のエンジンですから、アフターバーナー(リヒート/この点は後述)もあり。

ちなみにアドールはフランスの川の名ですから、ジェットエンジンに川の名を付ける、
というイギリスルールは守られており、それをフランスの川の名にする事で妥協した感じ(笑)?

ただし輸入品では無く、日本では石川島播磨重工がTF-40 IHI-801A という
覚えられるもんなら覚えて見な、という長い名称でライセンス生産してました。

ちなみにエンジンは地上で見ると斜め下を向いて設置されてるんですが、
これはおそらく飛行姿勢と着陸姿勢が異なるためじゃないかと。
(飛行中は頭が下がってエンジンが水平になる)
推力軸を斜め下に向ける合理的な理由は何もないですからね。



普通の社会人や学生が、ほとんど見る機会が無い気がする後脚回りの収容部。
手前のフタ、かなり大型ですが、左端に見えてる一本のアクチュエーターだけで持ち上げてるんですね、これ。
油圧かな。

ついでにF-1の後脚周りはかなり複雑な形状なんですが、この収容スペースに合わせた結果でしょうか。




オシリ周り。
尻尾の先で上に跳ね上がってる▲のフタはドラッグシュート、減速用のパラシュートの
収容部で、着陸後にここが開いて展開します。
開いた状態のこの部分が見れるのは貴重な気が。
ちなみにドラッグシュートは使用後は切り離して置き去りになり、
これを整備員の人が拾いに行って回収してました。

下に下がってる棒は拘束(アレスティング)フック。
艦載機が空母の艦上で一気に停止するため、この手のフックを索に引っ掛けて
強引に停止してるのは良く知られてますが、
陸上機でも、ブレーキ故障などの事故で止まらなくなった場合に備え、
こういった緊急停止用のフックが付いてます。

という事は地上基地の滑走路に、これをひっかけるためのワイアがあるはですが、
私はまだ見たことがありません(笑)。
まあ、どこかにあるんでしょう。



主翼上面から。
ほぼデルタ翼ながら、この主翼にも犬歯延長部があるほか、
良く見ると主翼付け根に板(フェンス)がついてます。

私の知る限り、こんな位置に安定板、あるいは気流の遮蔽板を付ける必要は無いはずで、
主翼付け根上のこれ、なんでしょうね…。
この後ろに主翼上に飛び出す板、スポイラーがあるので、その気流対策?


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