■最古参の王立空軍博物館



さて、やって来ました10年ぶり3度目の王立タイ空軍博物館。
10年前までは地元のタクシー運転手さんの10人中の12人が知らない、
という恐るべき施設だったのですが、
今回行ってみたら、大幅に近代改修されており、
これなら地元での知名度は多少上がったのではないか、と思われます。

まあ、それでもタクシーを使う場合英語はまず通じないので、
今回の25日分記事の最初に載せた写真か、
この写真をプリントアウトして持ってゆく事をオススメします。

この施設は1959年3月から公開されておりました。
ただし、当初は博物館といっても、ドンムアン基地の
ハンガーの一つを利用して、機体を並べて居ただけのようですが…。
(ちなみに非公開の空軍施設としては1952年から既にあった)

ちなみにこれ、アメリカ空軍博物館(1935年)よりはさすがに遅いですが、
スミソニアンの航空宇宙博物館、イギリスのRAF博物館より早いのです。
世界的に見ても、かなり早い段階から公開されていた航空博物館の一つでしょう。
最終的に現在地に移ったのは夕撃旅団でもっとも神聖な月とされる
1969年1月だそうで、個人的に他人とは思えん、と感じたり(笑)。

ホントに兵器遺産の維持という点に関しては
アジアの特異点なんですよ、タイ王国。
実際、ここには世界で唯一、あるいは2機しかない、といった
貴重な機体も残ってたりします。

ただしタイの軍関係施設ですから(笑)、
例によって開館時間は微妙に早めで、
朝の8時から夕方4時までとなってます。
ついでに日曜祭日は休館らしいので行くなら土曜か平日にしましょう。
(実際は日曜も開いてる事があり、という話も見たが…)



入口からの眺めはこんな感じ。
現役の軍施設なので、左の詰所に衛兵さんが居ますが、
普通にコンチワー!という感じに挨拶するだけで入って行けます。

よく見ると玄関の右にF-5が置かれてるの、わかるでしょうか。
奥の車と比べても、いかにF-5という戦闘機が小型なのかがよくわかると。



この博物館は大きく4つの展示エリアに分かれてます。
まずはこの玄関正面の建物。
手前にあるのは例によって王様の銅像ですが、
第何代のラーマ閣下だか、私にはよくわかりませぬ。



内部は大きく二つに分かれるんですが、
入口から見て左側の展示エリアはこんな感じで、
なんだか欧米の航空博物館っぽい感じがします。
展示スタイルの元ネタはダックスフォード帝国戦争博物館か?



が、ここは10年前には単なるハンガーで、こんな感じの展示だったのです。
上の写真とほぼ同じ場所から、ほぼ同じ方向を撮影してるんだって言われても、
信じられるかい、という人がほとんどだと思います(笑)。

実際、私も現地であまりの変わりようにビックリしてしまったのでした。
ただし、この改装の結果、貴重な機体のいくつかが
屋外で雨ざらし展示になってしまい、
機体保存の観点からすると残念、という部分があります。

また、2011年のチャオプラヤー川氾濫による大洪水で、
この一帯も長期に渡ってかなりの深さで水没したはずで、
その影響からか、大分劣化の進んだ機体がいくつか見られ、
ちょっと悲しくなったりもしております。



ちなみに入口から見て右側のエリアはこんな感じ。
ここは以前、芝生用の肥料なんかが積んであった(笑)倉庫だったはずですが、
今ではこんな立派な展示施設となっておりました。

でもって、これも実機ですから、
展示用に回されたF-16の少なくとも2機目となります。
決して早くからF-16を導入していたわけではないタイ空軍で、
なんでこんなに退役が進んでるのか、よくわからない部分です。
例よって、運用能力の問題で飛ばせなくなっちゃた…?

あるいはこれまで見た2機とも、エンジン無し展示ですから、
エンジンだけを他の機体で使いまわしてしまった?

ちなみに、このF-16の前には例のヨーロッパ製新型戦闘機の展示があり、
全く予備知識無しで訪問した私は、かなり驚く事になるのです。


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