■船はいずこ



チャオプラヤー川対岸のパクナムの街に向う渡し舟を求め、
生ぬるいタクシー移動を捨てて、再び修羅の道を選んだ私でございますが、
いきなりオモシロそうな脱線先を発見してしまいます。

あの巨大な建物、典型的なアジアの街中市場でしょう。
今回はまだそういった場所を見てませんから、早速突入だぜ、イヤッホー。



うむ、間違いなくアジア型の食料品市場ですね。

前にも書いたように、ちょっとオシャレな大型スーパーと平行して、
あくまで庶民的なこういった市場が元気に存在してるのが
太平洋岸アジアの都市部の特徴です。
こういった買い物文化はタイも香港も中国南部も韓国も同じでした。

この点は日本の都市部だけが西部太平洋岸アジアの中の特異点でしょう。
日本の場合、一般市民が買い物する場所はスーパーマーケットばかりで、
こういった市場文化がほぼ存在しません。
ただし、私はカンボジアやベトナム、そして台湾に
行った事がないので断言はできませんが、
それでも日本の買い物事情はかなり特殊だと思っていいでしょう。

逆に言うとアメリカ(半分観光化した市場は残ってる)や
イギリス(少なくともロンドンでは死滅した)にも、
こういった市場文化が既に無くなってますから、この点が先進国と
それ以外の国の意外に明確な差異の一つかもしれません。
(香港や韓国は半先進国といったレベルと考えていい)

が、個人的にはこういった混沌とした市場が大好きなので、
日本も先進国でなくなってしまってもいいのに、と思ったりします(笑)。



さあ市場の中をうろうろしよう、と思ってふと見ると、
小学生くらいの兄妹が、八百屋の店頭で野菜の皮むきの手伝いをしてる。

なんというか、日々適当に生きていて、、
一生懸命がんばってるこの子達の生活を
ひやかし半分に見て歩いてる自分がなんとも情けなくなりにけり(涙)…。

そこのオッサンは土下座して謝れと言われたら、
いくらでもリクエストにお答えいたします、
という感じでしたが、なんとか気力を取り戻して、先に進む。

一生懸命働く世界中の子供達に幸あれ。



その横で何もしないでゴロンと寝てる犬を発見。
とりあえず、こいつとはいい勝負になりそうだと、自分をなぐさめる。

…そうか、自分、犬並か…。



市場の奥には、食事のできるお店が並んでいましたが、残念、昼飯時を過ぎ、
夕食には微妙にまだ早い現時刻では、どの店も閉まっておりました。


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