■海の男の機関部へ



階段を下りて第3階層に来ました。

さて、最初はなんだか工作室みたいなトコにでましたが、
とりあえず順路は右となってるので、そのまま進んでしまいます。



さすがにここら辺は通路も狭い感じ。
まだギリギリ水面の上に出てる場所だと思うんですが、
軍艦らしく窓とかは一切なし。



さて、そこからさらに下へ。
おお、なんだかそれっぽい空間が見えてきましたよ。
機関室は第4、第5階層ぶち抜きなので、ここが艦の底、となります。

これ、電気が消えたら当然、何も見えませんし、
階段はご覧のように狭いので、かなり余裕を持った退艦を行わないと、
沈没時とかは脱出不可能だろうなあ、と思ったり。

でもって、こんだけ奥にあって、これだけ狭い入り口しかないので、
艦船においてエンジンの大幅な修理とかは大変な騒ぎになるわけです。
プラモデルのように、上部構造をパカっと取り外すわけにはいきませんからね。



そこにあったエンジンの解説。
ちなみにここは蒸気タービンの機関室(エンジンルーム)で、
蒸気を発生させるボイラー室は別ですね。

ベルファストはスクリュー4本で、機関(エンジン)は4つ、機関室は前後二つあって、
それぞれに2発ずつ機関が入ってます。
今回見学したのは多分前部エンジンルームだと思うんですが、
中に入ってしまうと、何がなんだかようわからんので(笑)、もしかしたら
ボイラー室とかも通過しているのかも。

で、最初にこの図で艦船用の蒸気タービンエンジンの構造を確認しておきましょう。
基本構造はどれも同じはずで、この図はとてもわかりやすく描かれてます。
とりあえず各エンジンごとに奥に描かれた筒状の蒸気タービンが二つあり、
向かって左が低圧タービン、右が高圧タービンとなってます。

最初にボイラーから来た高圧蒸気(400度を超えてるはず)で右の高圧タービンを回し、
そこから出てくるまだ熱エネルギーを持ってる蒸気をパイプで導き、
左側の低圧タービンを回すのに再利用します。
で、左側の低圧タービンの下にあるのが復水器(condenser)。

タービンが二つと言うことは回転軸も二つあるんですが、
それで回転させるスクリューの主軸は一つだけですから、
減速器(reduction gear)内部の歯車を媒介に、両者の回転を主軸に伝えてます。
本来はスクリューを回すには速過ぎるタービン軸の回転数を調整するための装置が減速器ですが、
蒸気タービンの場合、こういった仕事もしてるわけです。
ちなみに、歯車と言っても、100円玉のような円盤の周囲に細かい溝が刻まれてるタイプです。

ついでに、後進時には後進用のタービンを使う事になるんですが、
これは低圧用タービンの中に入ってるはずで、
図で低圧タービンだけが中が二つに分かれてるのは、前進用、後進用の意味かも。



と、そこまで理解しても、中に入るとモノはでかいし、配管の嵐だしで、
もはや何が何やら(笑)…。

とりあえず、上から見るとこんな感じ。
左側の灰色の部分は減速器のような気がしますが、
断言はできませぬ…


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