■全ては化学の名の下に



さて、ではグランドフロア最強エリア 、第三の展示コーナーに入りましょうか。

ここは鉄道と工業製品、と言うのをメインに、だんだんまとまりが無くなって行き(笑)、
面白そうなもんは全部並べちゃえ、といったよくわからん展示コーナーになってます。

が、おそらくこの博物館のメイン、といっていいのがここで、
この後、各フロア毎に別の展示があるコンピュータ、航空機、艦船などでも、
面白そうなものはほとんどこっちのフロアに集められてしまってます。

ある意味、この展示コーナーだけで見て帰っても悔いは残らないだろう、
ってな位のものがあるわけです。、



まずは産業革命後、イギリス中に出来た蒸気機関を利用した工場内部を再現した展示。
奥の方の天井付近に動力を伝えるシャフトがあり、
それが各机にベルトで繋がっています。

動力は工場の中央辺りに造られた蒸気機関一つだけですから、
こういった形で動力を工場内に伝達、仕事をしていたようです。
当然、フォードのベルトコンベアシステムが登場するはるか以前の工場。

これ、1850年ごろのもの、という事ですから、日本の夜明けぜよ、とかいってたころに
イギリスでは、すでにこういった産業構造になってたわけで。



これもその手の工場の機械だとのことですが、詳細不明。



でもってこっちは例の1851年の万博に出展されていたハリソン(Harrison)の動力織機。

動力織機そのものはイギリスでは1800年代初頭から、既に大量に使われてましたから、
この機械は別段歴史的に貴重なモノでもないような。
このエリアの3つの博物館は元々、せっかく集めた1851年の万博の展示品を
捨てちゃうのはもったいないし、取っておこうぜ、という目的で作られてますから、
この展示品も、そういったものの一つだと思います。

今まで人間の手でギッコンバッタンと機織してたのが(たまに鶴がやったりするが)、
機械化されることで一気に効率が上がり、さらに手織りでやってたら何年かかるんだ、
というような複雑な模様の布も織ることができるようになります。
この繊維産業の機械化が産業革命の大きな原動力の一つになるわけです。
当初は水力(水車)を使っていたのですが、これを蒸気機関に置き換える事で、
さらに高速化、大量生産化が推し進められます。

あまりに大量に作りすぎちゃったので、国内では消費しきれず、
新しい市場を求めて、イギリスの海外進出が進むキッカケともなりました。




で、1800年代に普及が進んだ工業製品の展示。
一番右側にあるのはタイプライターで、左がミシン、でもってその上にライフル銃、と拳銃。
どういう組み合わせだ…。

ついでにこれ、拳銃、ミシン、タイプライターはレミントン社のものですから、
アメリカ製だったりします。
レミントンといえばライフルだと思ってたんですが、
ミシンとかタイプライターも作ってたんだ…。

ライフルだけはイギリス製のエンフィールドです。


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