■戦争の博物館

さて、2011年ロンドン、最後の戦いの場となったのが、
帝国戦争博物館(Imperial war museum)です。

なんじゃそれ、というと1914年8月以降、イギリス連邦が関わった戦争、
それらに関するものを陸海空問わずに集めた博物館ですね。
例のテムズ川の巡洋艦、ベルファストもここの展示の一部ですし、
前回の旅行で訪問した、ダックスフォードにある兵器博物館もここの施設。

ただ、ベルファストもダックスフォードもそれなりのお値段の有料施設ですが、
このロンドン南部にある本館だけは、入場無料となっています。



元々は当時別の場所に移築されていた、クリスタルパレス、
例の1851年のロンドン万博のメインパビリオンの建物を使って、
1924年ごろに開館したのですが、やがて手狭になり、1936年7月7日にここに移設したもの。

第二次対戦中は閉鎖されていたものの、1946年11月に両大戦期の展示品を集めて再開、
1953年から先に書いたように、その対象を1914年8月以降の全戦争に拡大し、
現在に至っております。

ちなみに、前回の旅行記でも書きましたが、この建物は、
1815年に建てられたベツレム王立病院(Bethlem Royal Hospital)の建物を再利用したもの。
この病院は何度も移転を行っており、この時も別の場所に移って、
ここは空き家となっていたのでした。

ただ現在の建物は、かつての中央部分だけで、左右部分の建物は
取り壊されてしまっています。
上についてる塔というかドームも戦争博物館になってからのものでしょう。

ついでに、このベツレム王立病院は世界初の精神病院とされ、
その組織の設立は14世紀にまでさかのぼると言われてます。

さらについでながら幕末、ロンドンに来ていた福沢諭吉は、
このベツレム王立病院を見学に訪れていますので、
この建物、一万円札男も見ているわけです。


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