■その戦争は6月15日に始まって



さて、本館の見学の続きです。

入り口のある2階に戻ってきました。
とりあえず他の人たちが向かう方に一緒に行って見ましょうか。



6.25戦争 I なる展示の入り口に到着。

なんだこれ、と思ったら英語でThe Korea War Room I とありにけり。
どうも朝鮮戦争のことを、こっちでは6.25戦争と呼ぶみたいですね。
おそらく6月25日に始まった戦争、って意味でしょうか。

日本人はさすがに朝鮮戦争の名前くらいは知ってますが、
じゃあなぜ起こって、どういった戦争だったの、というのはあまり知られてません。

これが欧米諸国に至ってはさらに知名度が低く、
付いた名前が、忘れられた戦争(Forgotten war)という状況でした。
(ただし英語圏でForgotten war と呼ばれる戦争はほかにもある)

深く関わったイギリス、アメリカでもあまり注目はされず、
当時は自分の植民地との対応で手一杯だったフランスなどでは
世界の紛争地図からスポッと抜け落ちてたりもします。

が、第二次大戦後、湾岸戦争が発生するまで、もっとも大規模な火力、
空軍力が投じられた戦争の一つで、
後のベトナム戦争とは違い、力と力が正面からぶつかる戦いでした。

この結果、第二次大戦では戦場にならず、荒廃せずに済んだ朝鮮半島が、
ほぼ壊滅的な損害を受けて、全土が焦土と化し、
分断国家としての形態が決定されてしまいます。

この結果、21世紀直前まで、韓国は軍事国家独裁でありつづけるわけです。
そんな朝鮮戦争を、当事者である韓国はどう見ているのか。
ちょっと興味があるところです。



……入って最初の部屋では当時の映像を見せた後、こんなタイトル画面が。

その死傷者数、経済的な打撃、以後の半島の分断を決定的にした事、
どれをとっても朝鮮半島を襲った
有史以来最大の悲劇だと思うんですが、現地のノリは軽いですねえ…。

余計なお世話かもしれませんが、日本の韓国併合も
間違ってもほめられた話ではないですが、
中国と北朝鮮によるこの戦争は、それよりはるかに悲惨な結果を生んでます。

韓国の皆さん、もうちょっと怒っていいと思うんですが、
この国には2000年近い中国恐怖症の伝統があり、
日本にケンカを売るのは、無料で気軽にできるウサばらしという位の位置づけなのに対し、
中国が相手となると、かなり敏感な反応を示しますね。

まあ、怖いものは怖いでしかたないんですが、
言うべきことは、日本であれ、中国であれ、変わらず言った方がいいと思いますよ(笑)。



展示は当時の朝鮮半島の情勢から。
ここら辺りの展示はロンドンの帝国戦争博物館の展示に似てますね(笑)。



当時の資料コーナーに置いてあった昭和天皇の詔書の複製品。
日本の降伏が朝鮮分断のきっかけ、という事でしょうか。

ただこれ、有名な終戦の詔書ではなく、
なぜか降伏文章の調印に対する詔書の方でして、ややマニアックと言うか、
なんでこれ、という感じもしなくもないです。


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