■始まりは特売品

西暦2019年6月24日の夜、何気なくネットを見ていたら、六本木のペット屋で、売れ残りのデグーが特価になってるのを発見する。
定価6800円(税別)が3980円だとか。今年の1月生まれ、生後5か月のオスの子。5か月だとほぼ成獣なのでもう買い手がつかないと思われちゃったんだろうなあ。デグーは成獣からでも普通に人に慣れるし懐くのに。

そもそも我が家のグウ母ちゃんはオスだと思って1年半前に引き取った子でありました。これはデイの旦那にするという計画と同時に、デグーはオスの方が人に懐く、という説を確かめてみたかったからでした。その後、母ちゃんはいきなり出産と言う離れ業をやってのけ、その二匹の娘、シロとブチと共に今でも元気にやってますし、十分、可愛いのですが、現状我が家の四匹は全員メスという状況です。全員、慣れてるし、懐いてますが、撫でられたり抱っこされたりは嫌い(できるけどすぐ逃げる)。ふと、男の子だともうちょっと違うかなあ、と思ってしまう。

ついでに、そもそもデイお嬢の赤ちゃんが欲しかったのだよな、と思い出す。デイもすでに3歳で平気寿命が6年前後とされるデグーではそろそろ高齢期に入るころ。出産が重要な仕事であるげっ歯目なので、もう少し高齢でも大丈夫な気もしますが、もし子供を産ませるなら早い方がいいはず。でもって、多少数が増えても飼える自信あるし、改めてお婿さん迎えるかなあ、と考えてしまう。最終的に、久しぶりに麻布の赤のれんラーメンも食べたいし(今は東京駅前の丸ビルにもお店あるんだけど)、幸いにして翌日は休みなので、ちょっと六本木に出て見ることにする。あまり好きな街ではないけど千代田線ですぐだしね。

で、ラーメン食べてお店に向かった所、まだ売れ残ってそこに居ました。五カ月にしてはちょっと小さいなと思ったのですが、エサ箱をみると牧草とハムスター用の小型ペレットが入ってる。おそらくヒマ種、大豆、ピーナッツといった種子類をもらって無いのでややカロリー不足なんだろうな、と思う。デイも、グウも、我が家に来た途端、体重が20%近く増えましたから、この子も引き取ればすぐに大きくなるだろうな、と引き取る気まんまんな自分に気が付く。

お店の人によると、店頭に置きっぱなしのせいか人懐っこいですよ、と言う。それだけでデグーが人に懐くとは思えないので、生まれついての性格だろう、だとするとやはり男の子方が人に慣れる説は正しいのか、とか考えてるうちにいつの間にか財布からお金払ってお店を出ておりました。

ちなみにその瞬間、特売品だから名前は高貴な中にもコストパフォーマンスを感じさせるトクさんでいいや、と決める。こうして西暦2019年6月25日初夏の快晴の日に、生後五か月の新人、トクさん、オスが夕撃旅団に加わる事になったのでした。



電車で帰宅する途中、大暴れだったトクさんですが、最後は静かに。ちょっと心配になって帰宅後あわてて箱を開けると奥の方で固まってました。何カ月も過ごしたカゴを出され、真っ暗な段ボール箱に詰め込まれて30分以上も揺られてたんだから、そりゃ怖かったろうな、と思う。グー母ちゃんもこんな感じでしたしね。例外はデイお嬢で、あの方は電車でも移動中も到着後も元気いっぱいで御座いました。



トクさんが大暴れした跡。お店で段ボール箱に入れられた時、大丈夫かなあ、と思ったんですが、やはりダメでした(笑)。
デイお嬢は小型カゴ、グウ母ちゃんはプラスチックの透明箱で運搬したので安全だったのですが、段ボールならカジって穴を開けれちゃうんですよね。電車に乗った直後に、何かカリカリと言う音がするなと箱を見ると、トクさんが空気穴から鼻を突きだしながら、これを拡大中で、慌てて箱をひっくり返して壁に登れ無くする。

が、トクさんも去るもので、今度は床にあった空気穴をかじり始め、慌てててまた反対側にひっくり返す。すると再び、そっちの空気穴を…というドタバタ喜劇のような帰宅となりました。千代田線の地下鉄の中で、カリカリと音のする箱を青い顔しながらひっくり返しまくっていたいい年したオッサンは、さぞや怪しかったろうなあ、警察呼ばれなくてよかったと思う。
 


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