■デグーという生き物の飼い方を考える



2017年8月2日に最初のデグーを迎えてから7カ月がたち、
気が付けば家には6匹のデグーが居ます(笑)。

その7カ月の飼育経験、4匹の赤ちゃんの出産、成長を見て来た経験、
そしてデグーの故郷、チリで発刊されてるチリ自然史誌(Revista chilena de historia Natural)に
発表されたデグーに関する報告や論文などを基に、
一緒暮らすのが魅力的な、この生き物の飼育方法を考えて見ましょう。

まずはペットとしての特性から。

   

■夜行性ではない

小型の哺乳類、とくに草食哺乳類としては珍しい事に夜行性ではないため、飼い主と共に寝起きしてくれます。しかもデグー秘密能力その36号として時間を正確に把握できる、という妙な才能が有り、閉め切ってしまった空間でもキチンと昼夜のリズムを維持できるようです。

ただし夜中に時々、「理由は判らんけどテンション上がってきましたわよー!」と回し車を狂ったように回してる事がありますが、それでも夜11時を過ぎれば寝てしまいます。
ハムスターなどのように夜中に暴れられてうるさくて寝れない、という事はありませぬ。

 


■かなり人に馴れる


幼少時によほど人間に虐待された、とかでない限り、成体になってからでも十分、人になつきます。ウチに来た連中は生後1年3カ月と9カ月でしたが、今では飼い主に完全になれました。ただし連中に聞いたら、いや、それはヤツがそう言ってるだけ、別に好きでもないし、とか言われる可能性もありますが…

とりあえず、ウチの場合、手に乗る、手からエサをもらう、脚の上に乗って来る、呼べば来る(ただし気が向いた時だけだが)などのコミュニケーションは全ての個体で可能です。


 

■触られるのはキライ


ただし、基本的に触られるのはキライです。これは成体で引き取った2匹も、ウチで生まれた4匹も同じなのでデグーの基本特性だと思われます。
馴れた個体は触るくらいはできますが撫でると速攻で逃げます。さらに手で抱える、となると難易度がより高いです。ウチで生まれた4匹は赤ん坊の時から馴らしてなんとか可能ですが、成体で来た2匹は、よほど機嫌が良くないとさせてくれません。

ただしオヤツを与えてる最中などは撫でても逃げないので、そこで一気にモフモフに対する欲求不満を解消する事は可能です(笑)。

動画サイトなどでは撫でられて喜ぶデグーなども見られますが、この辺りは個体差があり、そういった個体はかなり少数のようです。



それ以外の特徴としては

■トイレの躾はできない

ハムスターのようにキレイ好き(?)ではなく、トイレの場所を決めません。
フンはげっ歯目のコロコロウンチなのでそれほど面倒ではありませんが、
やや臭いがキツイオシッコはカゴの中のそこら中でするので掃除がやや面倒です。
ちなみにカゴから外に出した時、全くトイレをしない派(先住デグー)と
逆に待ってましたとばかりにそこら中でする派(新入りデグー)が居て、
どうも縄張り意識が強くて神経質な個体ほど、トイレを外でする感じですね。
一種の縄張りマーキングの意味があるのかもしれません。

■多頭飼には注意が居る

ちなみに多頭飼いが可能なげっ歯目ですが、縄張り意識は強いので、
新しい個体を持ち込む場合は徐々に馴らさないとケンカで血を見ます。

妊娠が判明した新入りは出産2週間前から
それまで仲良く暮らしていた先住に対して突然、
縄張りを主張し始めてケンカしてしまったため、両者を隔離することになりました。

妊娠、出産で家族を持つと、それが一つの集団となってしまい、
それ以外の個体を排斥してしまうのかもしれません。
ただし現状、一回だけの出産ではどの程度一般的な現象なのかは判りません。
ちなみに散歩中に部屋で会っても、相手を威嚇するので、
巣箱を別にするだけでなく、散歩も時間を分ける必要があります。
現状、子育てが終わりつつあるのですが、先住はともかく、新入り側に
相手を改めて受け入れる様子はなく、当分は別居のままとなりそうです。

■意外に大きい

成体だと尻尾抜きで15pくらいあるので、ハムスターなどから見るとかなり大きいです。
最初ウチに来たデグーはやや小型だったのですが、
それでも第一印象はデカイなあ、でした。
ドブネズミサイズ、と思っておけばほぼ間違いないです。
(余談だが日本語のネズミもワニ、サルと同じく英語に直訳できない単語。
大型のドブネズミなどがRat、小型のハツカネズミ、ハムスターなどがMouse。
この内、卑怯者、裏切り者の意味を持つのはRatの方で、Mouseにそこまで悪印象は無い)

その分、力も大きいし、噛まれると痛いので扱いは注意です。
ただし、よほど身の危険を感じない限り人を噛むことはまずありません。
(甘噛みすることはある)
もし本気で噛んで来た場合、軍手を貫通して手を傷つけるくらいは楽勝ですから、
何かの理由で手で捕まえる必要がある場合は、軍手はした方がいいでしょう。
理想は皮手袋、あるいはロッククライミング用の特殊布の手袋ですね。

■鳴く 

鳴くげっ歯目ですがそれほどうるさく無いし、そもそも一匹で飼ってる場合は、ほとんど鳴きません。
多頭飼いの場合はかなり鳴いて会話してますが、それでもうるさくは無いです。
ただし子育て中の親はかなり警戒心が強く、なにかあると甲高い大きな声で
警戒音を出す事があります。

■毛並はボロイ

ハムスターやウサギのようにツヤツヤの毛並ではなく、
ドブネズミか、それ以下、というボサボサの毛並です。

■匂いは少ない

個体ではまったく匂いはしません。
ただしオシッコはかなり臭いので、週一回、最低でも10日1回は
カゴの掃除を徹底的にやらないと、やや臭くなります。
ちなみにオシッコには数種類の色があり、どうもカルシムを始めとする
体内の不要物は尿を媒介に排出するようです。

■非常に憶病

基本的に捕食される側なので、
音や自分より高い位置で動くものに敏感です。
最初は飼い主が部屋に入って来ただけでもカゴの隅に逃げます。
掃除機の音、さらにはトイレの音にすら驚いてパニックになりますが、
この辺りは慣れてもらうしかありません。
ただし慣れてしまえば、どんな音がしても動じなくなります。

■カゴから出して遊ばせる必要がある

大きめのカゴを用意すると、この傾向はやや薄れますが
、それでも外の散歩は好きです。
飽きれば自分でカゴに戻りますが、場合によっては1時間以上外に居ても
戻らない事があります。
その場合はエサで誘導してカゴに入れる必要があり。
よほど慣れた個体以外、手で捕まえて戻すのは無理です。

■ほぼ草食である

食性については、後でまた詳しく見ましょう。

■かわいい

アデロバシレウスを1ラヴリーとした場合、
デグーは平均10万ラヴリー程度のラヴリーパワー(LVYP)を持ちます。
油断すると、あっという間にその魅力に捕まりますから要注意です。
ヒマな時など2時間ボーっとカゴを眺めてるだけでも飽きません。


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