ここからは少しずつ角度を変えて見て行きます。

しかし、後部に向けて全く絞り込まれないこの胴体、
どの角度からも見ても異様な感じがするなあ。

よっしゃエンジン置くぜ! 置きました親方!
ズドーンと胴体作るぜ! ズドーンと作りました親方!
尾翼と垂直尾翼を普通に付けるぜ! 普通に付けました親方!
あとは単純にその上にコクピットを乗っけるだけだぜ! 単純に乗っけました親方!
よし、完成だぜ! なんだ戦闘機の設計なんてチョロイですね、親方!
という紫電改のデザインがよくわかります(笑)。
もう少し、工夫があってもバチは当たらないような気がしますよ、これ。

まあ、複雑な構造を避け、設計と生産準備期間を短縮し、
さらに生産性を上げようとしたのかなあ、
とも思いますが爆撃される前の最盛期でも月産80機(1945年4月)ですし(涙)、
その効果はやはり疑問と言わざるを得ませぬ。

ついでに、機体表面がボコボコなのもよく判ります。
これが日本機特有の外板の薄さによるものなのか、
長年雨ざらしにされた結果、機体の劣化によるものかは判りません。

もう一機、アメリカ空軍博物館の機体も同様にボコボコですが、
こちらも同じように長年、野ざらしだったんで参考になりませぬ。

いつかは状態がいいらしい、
ペンサコラの海軍博物館の機体を見たいものです…。



少し角度を変えて。
やはり横以外の角度から見るとデブというより縦に長い胴体なんですよね。



さらに角度を変えて。

コクピットの風防前に付いてる小さい箱は
コクピットへ外気を導く通風孔で、初期の型にはこれがないようです。
その後ろの風防正面、さすがにゼロ戦とは違うのだよ、
という感じで分厚い(70mm)防弾ガラスになってますね。

コクピット内部に見えてる茶色いものは革張りの座席…
ではなく、木製のヘッドレスト。

これ、機体が転覆したときはここで機体を支えて
パイロットが押しつぶされるのを防がないとなんですが、
木製のアレで4t近い離陸重量の機体を支えられたとはとても思えず…
ホントに実機もこんなもんだったんでしょうかね。


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