■その戦闘機は紫電かい?
-2008年11月追加分-

はい、紫電改写真館、追加記事です。
ここからは08年夏に撮影したアメリカ空軍博物館の紫電改閣下を見て行きます。

紫電改はコンディションのいい機体が複数現存している、という
日本の大戦機としては奇跡のような戦闘機だったりします。
アメリカに3機の紫電改が現存、さらに海底から引き上げた残骸機が一機、愛媛県で展示中。

世界中の博物館に転がってるのに、まともな機体はスミソニアンのくらい、という
ゼロ戦と比べても、はるかに現存機に恵まれています。

今回紹介する機体、前回紹介したスミソニアン機に加え、アメリカにはもう一機、
海軍航空博物館に紫電改があります。
私は未見ながら「世界の傑作機No.124 強風、紫電、紫電改」によるとこれもコンディションはいいとか。
ただし、この本、スミソニアンの紫電改も「非常に良好な状態」としており(涙)、
イマイチ、その話、信用できんのですが…。

で、このアメリカ空軍博物館の機体は、紫電21型5312号機だそうです。
2005年から3年近くかけてレストアされていて、この旅行では、
幸運にも、再公開された直後の撮影となりました。

この機体、レストアというより造り直しちゃった新造機?と思われるくらいのコンディションでしたが、
レストア時にそれほどパーツの付け替えはやってない、との事なので、保存状態はかなり良好でしょう。
レストア中の写真を「世界の傑作機 強風 紫電 紫電改」で見ることができますが、
そのコンディションのよさに驚きます。
ジェラルミンってキチンと保管すれば結構残るもんなんだなあ…。
(ちなみ世界の傑作機No.124。その前に出てた旧版は、絶対買ってはダメよ(笑))

■2008年 8月 アメリカ空軍博物館にて撮影


こちらの機体は、スミソニアンに比べると、かなり自由な角度から見学できます。
非常に脚が長くて細いのが印象的。
が、これは脚が長いというよりも、車輪が小さい、といった方が正しかったりします。
紫電改の車輪サイズは直径600mm、ライバルともいえるF6F、F4Uは813mmでした。
ついでにスマートな印象の液冷エンジン搭載P-51Dでも683mmあります。

紫電改、非常に貧乏臭いタイヤ回り(涙)で、その分、脚部分が長いのです。
けっしてデカイ機体ではないんですが、このおかげで胴体が太く感じるんでしょうね。
重量軽減に役立つとも思えず、脚の故障に悩んでいた機体でなぜこんな設計なのか、
何年考えてもさっぱり理解できません。川西マジックとしておきましょう。



横からみた状態。
「さあ、戦闘機をつくりまっせー」
つくりまっせー!
「まずはエンジンを機首部にズギャーンと載せまっせー!」
載せまっせー!
「でもって胴体をズゴーンと尻尾まで引き伸ばしまっせー!」
ズゴーンと引き伸ばしまっせー!
「でもってコクピットをズギャンと胴体の上に載せ末世ー!」
ズギャンと載せ末世ー!
「そんで主翼をつけたら完成やがな!」
なんだ、戦闘機って別に難しいこと考えなくてもできるじゃん!
「当たり前やがな、ドカーンと一発、度胸で設計や!世の中根性や!」
なるほど、目が覚めたよ、アニキ!

…といった感じで2000馬力エンジン積んで600km/h出ない、という世界でも例を見ない
珍妙な戦闘機の完成となりました、というのがよくわかる構図(涙)。
このコクピットのデザインをしたヤツは一歩前に出ろ、としか言いようがない…。
そもそも後部に向けてほとんど絞りこまれない胴体はどういう設計思想に基づくのやら。
まあ、思ったよりはスマートな機体なんですがね。



ちなみに反対側から見るとこんな感じ。



正面から。エンジンカウルは正面から見ると意外に複雑な形状。
日本機としては破格な20mm機関砲4門という装備が目立ちます。
主翼付け根の穴はガンカメラのものだと思いますが、二つもいるのか、とか、
この時期の日本機てそもそもガンカメラ積んでたの?といった疑問はありにけり。
主脚の上に、「脚はきちんと出たかコクピットから確認するための赤棒」
が飛び出してるのがわかります。
ちなみに後ろの機体はB-29。
スミソニアンと同じような構図となっているのは狙ってるのかUSA。


NEXT