最初にどうでもいい話をすると、下の写真、帰国するまで全く気づいてなかったのですが、
見学に来ていたタイの高校生らしき皆さんが、いっせいにコッチを見てますね。
なんで(笑)?…特に何もしてなかったはずですが…
今更ながら、気になるな…



とりあえず本題に戻ると、この機体の特徴のひとつが、後退角を持った主翼です。
ついでに主翼端のエルロン(補助翼)は羽布貼りなんですが、
独特のW字型の縫い目が付いてます。
あまり他で見た記憶がない構造で、これがオリジナルなのか、
タイで改造しちゃった結果なのかは気になるところ。
何らかの強度対策だとは思いますが…。

後退角が付くのは主脚から外側の外翼部分のみですが、
リベットの並びから主桁(翼断面)はキチンと胴体と平行方向を向いてるのが判りますので、
800k,/h以上の高速飛行を前提とした後退翼ではないですね(笑)。

おそらく設計に失敗して、何らかの重心調整したのかな、と思ってたんですが…。
実はこれと良く似た構造の先輩がいるのです。



こちらは所沢の航空公園で見ることができるテキサンの主翼。
主脚までの内翼と、外翼が完全に分離したノースロップ式構造、
(ただしT-6は折りたたみ式の脚)
そして98式直協機&99式高等練習機兄弟と同じような
後退角のある外翼がよくわかるかと。
その構造はあまりによく似ています。

ちなみに日本はT-6テキサンの基になったBT-9の輸出型NA-16を
1935年初飛行(98式直協機より3年早い)に1機輸入してます。

NA-16はスパッツ付きの固定脚の機体でしたから、
まあ、どう見ても何らかの参考にはしてるでしょう。

ただしノースアメリカンがT-6の主翼に後退角を付けた理由はどうもよくわからず、
同じようなスタイルのDC-3(というか初代のDC-1)では
重心調整が目的だったので、T-6も同じでしょうかね。

となるとやはり98式直協機も同じ、となるわけですが、
ここら辺りは何ら資料が無いので、
正直よくわからん、としておきます。


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