少し下から。
夜間戦闘機らしく、機体下面は真っ黒塗装。
下から見上げた時夜空に溶け込むのさ、ボカァって色。
機体下面もひたすら直線という感じのラインになっており、一見、生産性のよい印象を受けますが、
この機体、1943年から生産に入っていたにも関わらず、その総生産数は250機程度、
同じハインケルが1945年の終戦間際に送り出したHe162と大差ありません。
この点は、ハインケル嫌いのナチス幹部、あるいは空軍省の嫌がらせ生産妨害説などにより説明されてることが多いのですが、
逆にこの機体の生産促進をゲーリングが命じたりしてるようなので、それだけではないような気がします。
そもそもこの機体の原型の原型(おじいさん的関係)だったのが、あのルッサーが設計したP.1055でして、
これは「機構が複雑すぎて信頼性も生産性も低い」と評されて採用不可になった機体だったりします。
He219は、かなりそこから変更を受けた、とはいえ、その「生産性の悪さ」はある程度引き継いでいたんじゃないでしょうか。
なにかと問題のあった空軍省の生産&技術担当のミルヒ元帥がこの機体をどういうわけか徹底的にきらい、
本機が欲しくて、その生産を訴え続ける夜戦部隊の責任者カムフーバーと対立、その生産を妨害する、
という構図は実際にあったようなんですが、それだけではないような。
ついでに同じ夜戦のMe110などに比べて、えらく高価だったとも言われるんですが、こちらは裏付けがとれず。

また、けっこう適当に説明されてる事が多いですが、その原型機も実はちょっと複雑。
ルッサー が造った高速爆撃機P.1055が最初にあって、まずこれがボツになる。
て、本人が再設計、夜戦を含めた多目的機としたP.1056が造られ、これまたボツになってルッサーはクビとなり(泣)、
別の人間(ギュンターか?)がP.1055に(1056ではないらしい)手を加えた夜戦&爆撃機、P.1060を制作、
これを夜戦部隊のボス、カムフーバーが認めて、この機体が事実上の原型機となってます。
それぞれのPシリーズ、写真も図面も私は見た事がなく、P.1060(He219V1となった?)以外は実機は造られてない
(例によってハインケル社の自費&自社開発ですが)
ようなんで、あまり詳しくわからない部分も多いのですが…。
ちなみに世界の傑作機の国見さんの記事によれば、すでに最初のP.1055の段階で
カムフーバーが夜間戦闘機として推薦してた、ということになってます。
うーん、私、ドイツ語読めないんで、もしかしたら、そういった公式文書が残ってるのかもしれないのですが、
どうでしょ、それならルッサー、クビにならないで済んだと思うんですが…。



尾翼部を横から。
水平尾翼は前縁部が直線で、後部が少し斜めになってる、という造りのため、
横から見ると、垂直尾翼が少しだけ前に突き出たような位置にあります。
水平尾翼がかなり急な角度のついたV字型になってるのもわかりますね。



コクピットを横から。
キャノピーの横に小さな窓があります。
左下に見えるのは搭乗時に脚をかけるステップ部分。
で、ちょっと見えにくいですがこの機体は2人の搭乗員が背中あわせで乗り込むスタイルです。
これはMe110などと同じく、当初は後席に対空銃座をつけるつもりだったからのようですね。



ななめ前から。
昆虫的な独特なフォルムの機体。
翼の取り付け位置だけ、塗装の色が違ってみえますが、ここのみオリジナル塗装が残ってる可能性があります。
ここに塗装が残ってる、ということは、この復元同様、胴体だけ先に塗装まで済ましてから、
主翼を取り付ける、という工程になったいたようですね。
同じスミソニアンのウドバー ハジーにあった日本の屠龍、こちらも主翼無しのオリジナル塗装だったんですが、
これの主翼付根部分はジェラルミンむき出しでしたので、こちらは全体をくみ上げてから塗装してたようです。

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