■50mmってあんた戦争でもする気かね?

で、実はここの展示の目玉は、機体本体よりも、むしろこれだったりします(笑)。
50mm機関砲(笑)、ラインメタルBK-5。
50mmって、あんた初期の戦車砲よりデカイ口径ですよ。
これをジェット機のMe262の機首に積んでしまったのがドイツ空軍の皆さんです。
それが連射可能。それなりの長さの銃身ですから、破壊力もあるでしょう、これ。
さすがにアメリカの重爆相手でもオーヴァースペック、やりすぎやろ、
と思ったら、対地攻撃、対戦車用だったらしい。
…この時代のジェット機に対地攻撃やらせますか…
Me410-1/U4
とMe262-1a/U4
に搭載されたんですが、
Me262の場合、鼻っ面に積んでしまったため、
なんだかチベットの山奥で特殊進化してしまったユニコーンみたいな妙なスタイルに。
余談。
愉快なドイツ国家元帥ことゲーリングがアメリカ軍に投降した直後の尋問で、
以下のような発言をしてます。
「君たち(米軍のこと)は、これからドイツの地で、
アホみたいに巨大な兵装の対戦車ジェット機を見つけるだろう。
おっと、でもオレに文句をいうのは筋違いだぞ。あれは全部総統からの命令でね。
ヒットラー(呼び捨て(笑))は、陸軍と海軍の事は多少は知ってたかもしれない。
だが、空軍はカラキシさ、全くダメ(あんたが言うか(笑)…)。
あいつ、Me262は爆撃機だと思ってたし、そう呼ぶべきだと言い張ったんだ」
後半の発言はあまりに有名ですが、
前半、Me262-1a/U4
がヒットラーの意向で造られた、
ってのは意外に知られてないんじゃないでしょうか。
まあ、ゲーリングの発言なんで信憑性の問題もありますが。
さらに余談。
50mm機関砲を積んだMe-262 1a/U4の2号機は
ゲーリングが教えたからなのか、別の理由なのかはわかりませんが、
後に米軍に鹵獲され、多くの写真が残っています。
(最終的に塗装を剥がされるが、機体左面にWilmagとV083、右側にV803の文字がある機体)
で、その機体に搭載されていたのが、このBK-5機関砲らしいんですね。
そもそも、MK214は、写真も現物も全く残っておらず、
ほんとに終戦までに完成していたのかいな、というシロモノだったりします。
(私は写真か現物(笑)を持ってる、という人はご一報ください)
だから?というと、世の中に出回っているMe262の解説本では、
1a/U4に搭載されたのは同じ50mm機関砲でも、
より高性能なマウザー社のMK214としているのが普通だったりします。
これは資料としては決定版と言っていい「世界の傑作機」のNo.115、新版のMe262本でも同じ。
英語圏の資料でも、ちょっと古いのは大抵そうですね。
が、実機そのものを持って帰って分解しちゃった米軍さんが、
「ご覧のように、あれはBK-5でしたよ、ハハハハハハのハ」
と言ってるわけでして、どうもMk.214搭載説は間違いのような気が。
英語圏の連中が書いた解説を見ると、「Mk.214の完成が間に合わなかったのらしいのよ」
という事なので、鹵獲されなかった1号機にも
このBK-5が積まれていた可能性は高いと思われます。
なので、Me262-1a/U4
に搭載されてたのは、
どうも全て(2機しかないと思われるが)ラインメタルのBK-5であろう、というお話。
まあ、大抵の人にはどうでもいいや、という世界ですね(笑)。
ただし、アメリカ空軍博物館が適当な事書いてる、という可能性も捨てきれません。
が、まあ、米軍が接収した機体で、これを積んでいた可能性があるのは
Me262だけですから、多分、これ積んでたんじゃないかなあ、と。

機関部(?)。
グルッと海苔巻き状に尾部を取り囲んでいるのが弾倉で、22発入ったようです。
で、発射速度は1分45発、となると1発撃つのに1.33秒はかかっているので、
どうも機関砲のババババという連射イメージといより、パン、パン、と単発で連射可能、
というレベルのような気が。
時速700km前後で飛行してたら、秒速でも約200m。
それじゃ二発目を当てようと思っても、相手上空はとっくに通り過ぎた後、でしょうから、
事実上の一撃必殺砲でしょう。
搭載弾数22発ってどうよ、て気もしますが、この発射速度なら逆に気にならないかのか(笑)?
もっとも本来搭載予定だったMk.214は1分160発だったとされるので、
BK-5だとエレー性能ダウンであるのは確かなんですが。

機関部を後ろから。
こうして見ると、弾倉がほとんどの容積を占めてますね。
電気発火式のようで、左側上部にそのソケットが見えます。
ちなみこれ、540kgもあるらしいので、機首に積んでしまったら、
飛行時のバランス、結構崩れたんじゃないかなあ…。
こうして見ると、総統以外の誰かが
「悪いけどこれ積んで!」
とか言って持ってきたら、間ちがいなく現場でタコ殴りでしょうから、
やっぱヒトラー プロデュースのような気もするな…
はい、今回はここまで。
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