せっかくなのでカバーが取り外されてよく見えてるエンジン周辺をアップで。
FM-1まではR1830ツインワスプに2段2速過給器を搭載してます。
この後継機で、ワイルドキャットの中でもっとも大量生産された(約4500機)FM-2では
これがR1820サイクロン9エンジンを搭載、過給器も1段2速に変わるんですが、
両者は同じようなサイズのエンジンで、見分けるのはなかなか難しいです…。

番号順にどれが何なのかを解説しておくと、

1. 過給器(エンジン)の空気取り入れ口

2. 主翼下のオイルクーラー

3. 良く見ると下に飛び出してる主翼の外皮板の一部。
折り畳み機構のため、引っかかる部分がこういう形で飛び出すようになったもの。

4. 2段2速過給器の冷却装置、インタークーラー用空気取り入れ口。

5. エンジン内の熱気を逃がすために開閉するカウルフラップ。
番号を入れにくかったので右側のみですが、当然、同じものが左にもあります。



少し斜め前から。
エンジン周辺の丸い緑色の輪が固定具。
胴体がエンジンに比べて下に膨らんでるのが判りますかね。

ついでにプロペラ先端部についてる、ガラガラのような形の電動式可変ピッチ機構、
どうも一体整形のオモチャっぽい安っぽさで、キチンと動くようには見えません。
これレストア時に適当に造ったものじゃないかなあ。
少なくともオリジナルではないですね。
この機体、先にも書いたようにエンジンカバーが紛失していたりと。
機首から先はちょっと怪しいですし。



エンジン部アップ。
エンジン中心部の輪(良く見るとプラット&ホイットニーのメーカー名が入ってる)から伸びてる
金属外皮のチューブは電気配線で、各シリンダーに繋がってるのは発火プラグ用のもの。
プロペラ回転部の根元に繋がってるのは、
おそらく電動式プロペラピッチ可変機構用の配線だと思いますが、確証は無し。



プロペラ中心部、細身になってる部分にネジ止めで取り付けられた
カフ(機体全体で見るときは複数形でカフス)。
これでより多くの空気を後ろに送り出し、エンジン冷却効果を高め、
同時に各種空気取り入れ口に効率よく空気を送り込みます。
アメリカ機ではよく見るものですが、逆に他の国ではあまり見ませんね、


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