横から見たところ。
例のRAT、ヴァルター(Walter)109-500ロケットにわざわざスポットライトを
当てており、スミソニアンでも自慢の一品なのかも。
切り離し前提なんで、かなり簡易な取り付けですね。
こんな補助ロケットにまでヴァルター機関を積み込んでしまうのがさすがドイツ。
基本的な動作原理はMe163のロケットエンジンと一緒で、
この「酸素を取り込まなくても燃焼可能」な機関は、その特性を活かそうと、
のちに酸素の無い海中のアレ、すなわちUボートのエンジンにも搭載されます。
結論から言うと、ヴァルター機関、失敗というか、イマイチだったんですが。

全体にスラッとした印象の引き締まった機体。飛行特性は良好だったといいますから、基本設計は優秀だったのでしょう。
エンジンポッド、機体に平行ではなく、少し上向きに取り付けられてるの、わかりますかね。
尾部に20mm機関砲を2門を非常にわかりにくい形で搭載してるんですが、この角度だと見えないか。
つーか、この機体では外されてる?



コクピットのどアップ。なにか昆虫的なものすら感じるメカメカしさ。
さあ、これで模型のディティールアップ資料は万全ですよ。死なない程度にレッツトライ!
しかし、これせっかくの全周透明コクピットのなのに、前方視界、とくに下方向は意味がないのでは(笑)。

上に飛び出してるのがこの機体の特徴ともいえるペリスコープ。潜水艦の潜望鏡みたいなもんです。
この機体、ご覧のように機首をくりぬいてコクピットにしてしまったため、後方視界がゼロ。
そのため、後方確認用につけたものらしいんですが、これ、前方にもレンズらしきものが…。
ほんとに後方視界用?コクピットの右に、安物の天体望遠鏡のようなスコープ接眼部があり、
そこから覗くらしいんですが、あんなの見てたら、前が見えなくなるぞ。
その上、これで後部の20mm機関砲の照準もやった、とのことですが、それはさすがにどうかなあ。
機体に隠れて、自分の真後ろについた敵機なんて、見えないぞ、多分。
実は急降下爆撃の時の照準器も兼ねていた、という資料もあり、前後の視界を切り替えて使ってたのかしらん。
うーん、ほんとに言われてるような使い方されたの、これ?と思ってしまう部分ではありますね。
ちなみに尾部の20mm銃機関砲は意味が無い、と外してしまったパイロットも多いとか。
200機程度しか造られてない機体なんで、そもそも写真が少ないのですが、
それでもまともに尾部の銃が写ってる写真、そういや見た事ないなあ。
1200機とか造られてたMe262あたりと比べると、数も少ないし、戦闘機ほどの人気もないし、で
結構まだまだ研究の進んでいない機体という印象を、今回いろいろ調べてたら感じましたですよ。

コクピットのアップを横から。
ペリスコープ、どう考えてもじゃまなだけに見えますが…。
このコクピット、どうやって乗るの、というと、シートの上の天井部分の有機ガラスが
パカッと開いてそこからせまいコクピットに滑り込みます。
どう見ても乗り降りは大変そうで、これ、緊急脱出はほとんど不可能だったような。
プロトタイプには射出式脱出シートを搭載してたようですが、量産型のBには付いてなかった、
と言われてますから、パイロットとしては乗りたくない機体だったんじゃないかなあ…。



少し引いた位置から。コクピット周り、あきれるくらいにリベットだらけですね。
機体先端部をガラス張りにして、そのままコクピットにしてしまう、というデザインは、
不要な出っ張りをつくらずに済み、空力的に有利そうです。
これ、He111あたりからドイツ爆撃機の専売特許となりますが、後にB29がこの方式をパクります。
その後、この手のデザインが廃れたのは、爆撃照準のやり方が変わったからでしょうね。

B29とかの爆撃フィルムなどでは、いかにも適当にばらまいてるだけ、に見えますが、
あれは目標に命中弾が出るよう、ちゃんと照準をつけて投下しています。
まあ、それでもなかなか命中するもんじゃないですが。
当時の水平爆撃機は、機種部分に爆撃手が陣取り、真下をに向けて設置された爆撃照準機を使って、
地表、あるいは海面の敵を狙い、爆弾の投下を行っていました。
だから、爆撃手席の少なくとも前方と下はガラス張りにしないとだめなんですね。
ちなみに天井部分までガラス張りな機体が多いのは、なぜかわかりません(ヘタレ)。
採光のためかとも思ったんですが、夜間爆撃でも照準、使ってるんですよ。

アメリカのノルデン式照準機などは自動操縦装置と組み合わせ、
爆弾投下前の数秒間は、爆撃手が照準機を操作して機体を最適の位置に誘導します。
このため、当時の爆撃機は機種部分が透明なものばかりなわけです。
つーか、トルメキアのコルベットはあの機首で爆撃機でない、というのはなぜですかクシャナ殿下。


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