■お代官様、そんな、メッサーもございませぬ

ロンドン郊外、コーリンデルにあるRAF博物館のMe109G-2。
G型ですが、スミソニアンの機体のように機首にコブ(ボイレ)ができるのは13mm機銃を搭載するG5からで、
G2までは、まだなめらかな形状です。
この角度からだと、結構主翼大きく見えるなあ。
1942年、北アフリカ戦線のトブルクでイギリス軍によって発見回収されたトロピカル仕様機。
尾翼に10639のナンバーが入ってるんで、これがこの機体のシリアルでしょうかね。
1978年から13年もかけて1991年にレストアを完了した機体。
それだけ時間がかかったのは、フライアブル、飛行可能な状態にしたからで、
以後、イギリスのエアショーでデモフライトを行ってます。
が、1997年のダックスフォードのショーで着陸時に横転クラッシュ(いかにもMe109らしい…)、
再レストアとなって2002年から、ここでの展示となりました。
エンジンのオイルは完全に抜かれてる状態なので、現状は不可動機のようです。
まあ、そんな経緯があるため、オリジナリティという面では微妙な機体だったりします。
ちなみに戦闘機におけるトロピカルというのは「ワイハでアロハー」といったようなもんではなく、
単に「熱帯仕様」の意味ですが、英独ともに砂塵をエンジンに吸い込まないように、
気化器吸入口に防塵フィルターを付けて、あとちょっとだけ頑張ってみました、
といったレベル止まりが普通で、本格的な熱帯対策はしていないようです。
参考までにスピットファイアでは、Mk.VIII(8)以降、燃料冷却器や加圧燃料タンクを搭載してゆきますが、
Mv.V(5)までの機体は、トロピカル仕様でも、その手の装備はありませんでした。

横から。カッコイイ機体ですな。人気あるわけだ。
主翼のフラップが内側、外側ともに降りてますので、例のF型以降のチョードイツ式フラップがよくわかります。
ね、外側1枚、内側2枚で、計3枚に分かれてるざましょ(向こう側の下フラップも見えてます)。
脚が曲がってるように見えますが、これは前に説明したように、ガニマタ角度で取り付けられてるからです。
機首部分のラインと比べ、コクピットが一段低くなってるのもわかりますかね。

後ろから。液冷エンジン機らしい、スマートな胴体。
これも内側フラップが上下2枚に分かれてるの、わかりますね。風の谷のガンシップのような感じですな。
丸み帯びた機体背中部分からみると、コクピットの四角四面ぶりが目立ちます。
こうしてみると、機首部左の気化器吸入口が機体から豪快に出っっぱているのがわかります。
空力的にきっちり計算された設計らしいんですが、どこかで何かを間違えてないかなあ、それ。
で、F型以降、Me109の主翼の先端部分は、空力的な洗練をねらって、ご覧のように丸く整形されます。
が、空力、という点では当時最先端を行っていたP51は、逆に翼端部は109のE型以前のような角型。
誘導抵抗などを考えると、丸形が理論的には正しいらしいんですが、
実際にはスピットのMk.XI(9)と、同じエンジンで、より重量の重いP51の方が、より高速で燃費もよかったりします。
まあ、理論はしょせん、理論なんですよね。
てなわけでP51Dの主翼。ホントは何も考えてないやろーってなくらい、
見事なまでに「ぶった切っただけ」な翼端部です。
が、最高速、燃費、そして高速時のロール運動など、どれも超一級の性能を誇ります。
うーむ、メッサー、早まったか。

斜め後ろから。見事なまでに逆光写真となってしまってますな…。
Me109は垂直尾翼の背がやや低く、横方向にやや広い、という特徴があります。
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