■ピントあわせの限界



またかよ、と思うかも知れませんが、ホントにこれが基本なので再掲載。
これと同じ標準偏差の帯を持たせて造ったのが下のグラフなんですが、
ちょっと見づらかったかもしれませんね…。



ここからは、言葉で説明するとわかりにくいと思うので、表を使って説明して行きます。
前日の上昇率から予測した、翌日の価格幅を一覧表にしたものが、下の方に載せてある表です。
約1カ月分、25回のデータを使ってます。

これ、適当に私が考えたものなんで、説明なしでは人類のだれもが理解できない、という面倒なシロモノです(笑)。
中央の赤い線が平均値(1.000)で、これが基準点になります。
ここから左が、それぞれの時に予想される上昇限界値(最高値)、右が下降限界値(最低値)です。
中央にある黄色帯が標準偏差の範囲で、横のグリーンの部分が標準偏差2倍、一番外側の白い部分が3倍の範囲。
つまり、それぞれの色帯の中の数字は、前日の終値に+-0.013、+-0.026、+-0.039を掛けたものです。

そして、一番外側にあるのが、実際の株価(終値)で、これが1段下にズレてるのは、
制作者の私がよくやる凡ミスではなく、予測値は翌日、つまり一日先の数字だからです。
逆に言えば、実際の株価の方が一日遅れ、ということになります。
両側にあるのは、単に見易さを優先しただけで、深い意味はありません。



具体的に見てみましょう。
赤い線から左が最大予測値で、右が最低予測値ですから、表の一番上の段で見ると、
翌日の株価は70.8%の確率で13625円〜13275円の幅のどこかになる、ということです。
94.6%の確率でなら13800円〜13101円、98.7%の確率でなら13975円〜12926円ですね。

実際の結果はどうなのか、というと、太字になってる部分がその日の実際の株価が取った上昇率です。
4の段が赤いのは、この日は1.042の上昇率で、標準偏差の3倍を振り切ってしまったから。
1.3%の確率しかないイレギュラー(異常)の発生となります。
このイレギュラー(異常)の発生だけは今回の話の外の世界でして、これを食らったらあきらめてくたださい(笑)。

が、実はこの表では、94.6%あるはずの標準偏差の2倍以内に収まる「安全性」が破られ、
標準偏差2倍以内の結果となったのは25回(理解しやすいよう、一番上の結果は入れてないが2倍以内だった)中、
84%にしかなりません。アレ?(笑)。

これは、このデータを取った2008年3月〜4月が、近年まれに見る乱高下相場だったせいでしょうね。
実際、08年に入ってからの70日だけで標準偏差を取ると、0.023とエライ数字が出てきます。
標準偏差が大きい、ということはそれだけ値動きの幅も大きかったわけです。

まあ、上の表に書いてある確率は、計算による理論値の方ではなく、
過去5年間の実測値ですから、1年以上の時間でデータを取ると、だいたいあの数字になります。

で、まあその辺の誤差を別にすれば、だいたい標準偏差で予測される幅に実際の価格が収まってる、
というのを見てとっていただけるでしょう。
いただけますよね(笑)?



さて。
ここまで、読んで多分みなさん、そろそろ飽きて来たころでしょう。
だから、誰も気が付いてないと勝手に判断して、どんどん話を進めます(笑)。

はい。翌日の株価が、上のようにかなり正確に予測できることはわかりました。
ここから、当然、以下の結論が導きだされます。

翌日が予測できるのなら、1年先だってできるんじゃないの?

答えは、これもシンプルでして、できます。
可能です。
でも、無意味です(笑)。
簡単に言うと、標準偏差が0.18ぐらい、すなわち18%程度にまでなってしまうのです。
つまり、今日の株価が13000円だった場合、その予測値は標準偏差の3倍、最大54%幅ですから、
7020円から20020円にまで広がってしまいます。
そらまあ、そんだけ幅があれば外れないだろうが、意味もないよね、と。

もう少し無欲になって、数日先までを考えるとどうでしょうか。
これも簡単に計算で出せまして、

2日先 標準偏差 0.018
3日先 標準偏差 0.022
4日先 標準偏差 0.025
5日先 標準偏差 0.027


となっていきます。
翌日の標準偏差0.013と比べ、だんだん数字が大きくなって行ってます。
つまり、それだけ予測される価格幅は広くなり、正確な予測は困難になって行きます。
遠くに行けば行くほど、ピントがずれるように、株価の未来予測に使う、
標準偏差もどんどん広がって、ボヤケて行くのです。

実際に、今日の株価にこれらの数字を掛け算するだけで、
簡単に予測値はでますから、やってみてください。
逆にその日数分前の株価で計算すれば、今日の株価を予測できているか、もわかります。
だいたい、3日前の0.022ぐらいがある程度、予測と呼べるレベルの限界で、
その先は予想価格幅が広がりすぎて、使えない、というのが私の判断ですが、いかがでしょう?
まあ、人によっては使い道あるのかもしれませんが。

はい、というわけで、今回はここまで。
実は、この段階ではカードを配り終わったに過ぎず、ここからようやくゲームになるのですが、
そこまでは入れませんでした。
実際、今回の計算で出てくる数字だけでは、まだどうしようもないと思われる人も多いはず。

が、実は、未だに「ゲーム」をどう説明したらいいか、全く見当がついてません。
もう少し、考える時間をもらってから、再度続きを書くことにしたいと思います。
うーん、やってることは簡単なんですが、なんでそうなるのかが、どうしても説明できないのです(涙)。

あ、最後にひとつだけ。
今回書いた内容は、くどいようですが「正規分布(に近い)」データのみで有効です。
日経平均株価以外に用いる場合、実際に自分で分布表を作って、確認してから適用しないと危険です。
特に株式では、一般に、取引量の少ない銘柄は正規分布を見せません。
トヨタ、やパナソニック クラスなら大丈夫だと思いますが、ここら辺は各自の責任でお願いします。

ただし、厳密な正規分布には絶対なりませんから、
平均値を境に、同じような数字のカーブを描くデータなら、ほぼ問題ないはず。 

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