■未来は幅を持ってやってくる



さあ、私を含めて皆が飽きないうちに、テキパキ進めて行きますよ(笑)。

今回は、前回説明した標準偏差を使って、近日中の株価の動きを予測する、という話です。
もっとも、あくまで確率の話なので、明日の株価はズバリこれだ!みたいな話ではなく、
明日の株価はここからここまでの値幅に、明後日はここからここまでの値幅の中に納まるでしょう。
お出かけの際はカサを忘れずに、といった内容になります。

最初にちょっとごめんなさいを。
後で説明する、と書き続けた偏差値ですが、これを使用するのは中止にします。
今回の話は、おそらく偏差値で見た方が理解しやすいのですが、
いかんせん、そこにたどり着くまでの説明が膨大になりすぎることに気が付きました。
よって、偏差値の説明は見送ります。すみません。

さて、前回の最後にも書きましたが、平均への回帰を期待できる分布になるのは
「終値の上下額」の数字であって、株価そのものではありません。
なので、今回の話も「400円あがった」「300円下がった」という数字を使って話を進めて行きます。

で、ここで問題が一つ。
上下額をデータとして採用する場合、例えば同じ200円の値上がりでも、
株価が10000円の時と、20000円の時では、当然、その意味が異なって来ます。
10000円から200円上がる方が、「価値が高い(大きい)」のはおわかりいただけるでしょう。
よって金額だけでデータを比較すると、あまり正確な結果とならない可能性が出て来るのです。

そこで金額を使わないで上下額の「大きさ(価値)」を比較する方法を考える必要があります。
本当はここで偏差値を使う予定っだったのですが、今回は簡単に計算できる「上昇率」を使いましょう。
上昇率は、その名の通り、前日に比べて何%上昇したのか、という数字。
前日10000円だった株価が、10200円になったとします。200円の上昇です。
これの上昇率は、10200/10000=1.02(2%)となります。

同じ200円の上昇でも元値が20000円なら20200/10000=1.01(1%)となりますから、
10000円の時に比べ、半分の大きさの数字になっています。
ちゃんと「実際の大きさ(価値)」を反映した、比較に使える数字となってるの、わかるでしょうか。
今回は、この上昇率の数字を使って、未来予測を考えます。

キチンと理解してくれてる人のために(笑)、念のためもう一点確認しておきましょう。
株価の上がり下がりの「金額」が、ほぼ正規分布の、とりあえず平均への回帰が期待できる分布となっている、
という点は連載の最初に載せたグラフで確認済みですが、
今回採用する、上昇率の方でも、その点は大丈夫なんかいな、という疑問が出てきますね。来るんですよ。
が、大丈夫、問題なし。ほとんど同じものなので、わざわざ載せませんが実測データで確認してあります。
ほぼ正規分布に近い、平均への回帰の期待できる、きれいなカーブのグラフとなります。


さて、ようやく本題へ。
何度も書いてますが、正規分布(に近い)データはその分布の広がりを確率的に計算できます。
(計算式は省略させてください…。結構面倒なんで)
具体的には、平均値を基準点に、標準偏差(プラスマイナス両方なので、実際の幅は2倍になる)の数値幅に
データ全体の68.3%、標準偏差の2倍(実際はこれも4倍)以内に95.5%、
3倍(同6倍)以内に99.7%が収まる事が「理論的に予測され」ます。

実際のデータ、今回採用する「過去5年分の上昇率のデータ」では、
平均値から標準偏差の幅に70.8%、2倍幅までに94.6%、3倍幅までに98.7%が収まっており、
まあ、ほぼ理論通り、といっていい数値になっています。
よって今後サンプルが増え続けても(何年経っても)ほぼ同じレベルで維持されて行く、と考えていいでしょう。
つまり理論値で予測される普遍的な数値、ということになりますから、これを元に未来予測ができるはずです。

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