■因果律で調和は作れないから



さあ、これだけの材料がそろっていたら、これらを元に何か出来そうな気がしてきませんか?
して来なくても、かまわず話は進むのですが(笑)。

ここで、余談を一つ。
先のデータで、株価の上がり下がりの5年間の平均値がほぼ0円である、
ということに気が付くと、次のような結論が導かれます。
「5年間、毎日機械的に100株づつ売り買いを続けても、5年後の持ち金は、実は最初とほぼ変わらない」
まあ、現実的には、売買手数料がかかりますし、じっさいの平均値は0でなく2.2あたりなんですが、
とりあえず「何も考えずに売買したら、ほとんど損もしないし、得もしない」と言うことは覚えておいてください。
つまり、損をしたり儲かったりするのは人間の意思が「乱数系」からの離脱を引き起こすからです。
ちなみに私は5年間で「ちょっとだけ儲かってる」状態です(笑)。

さて、株価の値動きは正規乱数である、と書きました。
この正規乱数、というのが実は重要でして、正規乱数であるなら、
その事象には「平均への回帰」が起こります。

「平均への回帰」は簡単にいうと、100とか1000とか、十分な数のサンプル(計測点)数があった場合、
そのデータを追いかけて見ていくと、平均値へ「回帰」しようとする傾向がある、というもの。
そのまんまやんけ(笑)。もう少し、キチンと説明しましょう。
たとえば、ある生徒のテストの偏差値を時系列で追った場合、
60、58、62…と前回まで平均で60前後だったのに、
ある時のテストで、突然偏差値45とかが現れたとします。
「あらま!ウチの子、突然アタマ悪くなっちゃったのかしら!」
と心配する必要はなく、次からは60、58…と元に戻ってゆき、逆に75とか高い数字なども出てきて、
平均値は再び60前後にならされて行きます。すなわち、平均値に「回帰」してゆく。
出る釘は打たれて均等化されてしまう、という感じでしょうか。

この「平均への回帰」の有名なデータとしては血圧の数値があります。
これは個人が毎日記録した時系列データでも、
ある時一斉に集団で採取した集団データでも構いません。

ここで注目したいのは、集団で複数回のデータを取った場合でも、
常にデータは正規分布を見せる、という話。

それって何が問題でんねん?
もうちょっと詳しく説明しましょう。
前回、Aさん、Bさん、Dさんが「異常に高い血圧」を記録したとします。
が、食事療法などで今回は三人とも通常値に戻っていました。
では今回は「異常に高い血圧」の人はゼロになったのか、
というと、今度は前回正常だった人の中から、
2〜3人、引きよせられるように「異常に高い血圧」の人が出て来るのです。
しかもこの現象は、常に前回とほぼ同じ人数となり、
いきなり10人に増えたりすることは、まずありません。
その結果、まるで示し合わせたように、
散布グラフは前回とほだいたい同じ形、釣り鐘形を描きだします。
これが、正規分布を見せるデータのすごさです。
ある数値の血圧に収まる人数は、毎回そのメンバーが入れ替わってしまっても、
常に一定の人数を自動的に維持する、という事。

初めてこの現象を見ると、なんでこんな不思議なことが!とかなり驚きます。
被験者全員が、あらかじめ打ち合わせでもしたのか!という感じですが、
そんなことをしたところで、自分の意志で血圧は変えられないのです。
なんだかビヴァ!神様な神秘主義に走りたい気分になってきますね。
が、ちょっと考えると、これらは正規分布のデータだから起こる現象だと気が付きます。

最初に見た、正規分布のグラフを思い出してください。



正規分布データの特徴は、この「釣り鐘型分布」の「自律的維持能力」だろう



あのような釣り鐘型の正規分布グラフを形成するには、
平均値付近に大多数のサンプルが集中し、
かつ、左右が均等に近い数量になる必要があります。
(現実のデータで、厳密に左右均等になることは無いが)
なので、平均から大きく外れるようなデータが出て来た場合、
それを補正する、打ち消す方向の数値が後から出てこないと、
正規分布の形はどんどん崩れて行ってしまいます。
偏差値45のテスト結果があるなら、平均値である60を挟んで、
75前後のデータも出てくる必要がある、という事。

つまり、イレギュラーは、必ず補正されます。
そうしないと、正規分布の状態は維持できないのです。
1000、2000、というサンプル数のデータで、それが正規分布を示すなら、
そこには、この「平均から大きく外れようとする動きを補正する」力、
すなわち「平均への回帰」が必ず起こっています。
それだけのサンプル数が集まるまで、釣り鐘型分布を維持するには、
それがないと、とっくに形が崩れてしまっているのです。
逆に考えれば「平均への回帰」が
正規分布のデータ以外に起きない理由もそれです。
というか、平均への回帰の力が、正規分布を発生させているわけです。

では、正規分布のような、自己修復を行う分散がなぜ現実に存在するの?
「平均への回帰」の力はどこから発生してくるの?
というと、それは分かりません。すくなくとも私には(涙)
グラフにすると常に釣り鐘型になるよう
、その数値補正を働かせる力、自己修正能力がどうしてこの世に存在するのか、
その原動力は何なのか、は「神のみぞ知る」だと思います。
「神の見えざる手」なわけですね、どうも。

実際、正規分布の数値を追うと、「自己保存本能」とでも呼びたくなる動きにぶつかり、
なんとも不思議な気がすることが、時々あります。
よって、この点については神秘主義に走ってかまいません(笑)。
実際「そうなる」とはわかっても、「どうしてそうなるか」は全くわからないのです。



さて、以上が最低限知識。
ここから、ようやく自由市場における未来予測、つまり価格予測をやってみる、
という話に入って行きます。付いてきてますか(笑)?

というわけで、

・株価上がり下がりの金額の数字は集団で見た場合、完全にランダムとなる

・それは正規乱数だよん

・正規乱数である以上、正規分布を形成し、平均への回帰現象が発生するんだワン

・その平均への回帰現象は、正規分布が「分布形状の自己保存性」を持つ、という前提に立つニャー。

といった、話をして来たわけです。して来たんですよ(笑)。

はい、以上から、最も重要な以下の「ルール」を採用します。

 株価は正規乱数である。
よって、その値動きは「平均への回帰」から影響を受ける


さあ、盛り上がって参りました!(本人談)
と、いうところで、以下、次回です。


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