■ギガヘルツはいいヘルツ


最初にちょっと、前回のフォローを。

前回、正体がわからんと書いた戦艦テキサスに1938年から搭載されていた警戒レーダー CXZ 。
これについて、XAF(CXAMのルーツ)と同時開発されていた実験用警戒レーダーではないか、
という指摘をもらいました。
で、確認したところ、どうもRCA社が自社の真空管を使い(元ネタはドイツからだろう)
独自開発したレーダーらしい、という事が判明。
これと海軍の研究所が開発していたXAFがコンペ形式で対決、
ほぼ互角の性能だったものの、XAFが採用になり、その代わりCXAMの生産がRCA社に任された、
というシロモノのようですね。ご指摘、どうもです。

以上、フォローでした。



例の大英帝国謹製type274対艦射撃管制レーダー。1944年1月登場。
3GHzのギガヘルツレーダー(正確には3.294GHz)ですから波長約10cm。
有効走査距離は29km。
上部の両腕で抱えた拡声器みたいなのがレーダーアンテナ。
左右に回転するだけでなく、この部分だけ上下に動かせます。


って、あ、これよく見たら、測距儀外されてるぞ。
本当は横に付いてるハシゴの直ぐ後ろ、ちょっと出っ張った箱状のトコから、
左右に筒状の測距儀が飛び出してるんですが…。
まあ、レーダーがあるなら、別にいらんからなあ…。



「でさ、とりあえず、その周波数がギガヘルツである、というのが
射撃照準レーダーにはそんなに重要なわけ?」

お、いきなりあらかじめ打ち合わしていたような、核心を突く質問だね(笑)。
そう、極めて重要なんだ。

「でも探知するだけなら、目標より短い波長にすればいいだけでしょ?
戦艦とか空母とか、巡洋艦なんて200mを超えてるじゃん。
例の海面から一定の高さの構造物だけに限っても10m単位でしょ。
なんでこれが波長cm単位な世界の話になるわけ?」

むう、再び示し合わせたかのような、ペロ君らしからぬナイスな質問だ(笑)。
これには解像度という問題が出てくる。
レーダー波の波長が目標より短ければ、目標の存在はつかめる。
確実に反射が返ってくるからね。
が、それだけでは、射撃管制用としては不十分なのさ。

「…ぐー」

…ペロ君、ペロ君、ここまで、うまく行ってるんだからもう少しガマンしろ。
さあ、説明をするぞ。

「…うん…あれ?ゴールキーパーのミーアキャットは?」

…君はどんな夢を見てたんだね。



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