■どう見ても悪役



こちらもアメコミヒーローが被ってそうなデザインですが、鯖尾形張懸冑だそうな。
ちなみにこれも漆塗り。
張懸というと、中国人の名前かと思ってしまいますが、、
この場合は張り子というか装飾部分を指します。
通常はより軽くした薄い鉄板や、皮などで作られてるものを、
鉄の冑の正面に取り付けるわけで。



ちょっと角度を変えて。

こうしてみると、正面に大きな張懸部があって、その後ろに通常の鎧があるのが判るかと。
しかしこれ、かぶったら最後、ヒサシの上の目が開いて、
完全に体を乗っ取られてしまうんですよ、とか言われても違和感ないな。
ちなみにこれを見てるとき、私の脳内にはスターウォーズの帝国のテーマが延々と流れてました。



まあ、今回の展示の極め付けがこれ。
被ったら最後、いい年したオッサンの語尾がピョンになる、といった
呪いがかかってそうなスゴイデザインでございます。
ちなみに正式名は兎耳兜鉢だそうな。
これも張懸なので、上の部分は何か軽い材料じゃないかと思います。

ちなみに秀吉が近江大津の京極家に贈ったもの、とされてるそうですが、
受け取った京極家も困ったんじゃないかという気がしなくもなく…
ただし、兎耳(ウサミミと読む)兜は意外に人気で、冑の正面にウサギが付いてるタイプの
兎耳兜とかもあったりはします。
とはいえ、こんな巨大ではないですけどね。



とりあえず、下の冑部分に、上の飾りパーツが付いてるのが判るかと。

しかし、ヒゲヅラの40過ぎた大将級武将がこんなの被って出てきたら、敵も驚くでしょうな。
さらに網タイツバニースーツ装着済みで来たら、味方も含めて戦場大パニック、という感じでしょう。
いろんな意味で、もはや怖いものなんてない羽柴秀吉46歳とか見て見たかった気も。

ただし今回、調べてみた限りでは、当時のポルトガルの宣教師たちは
バニースーツを日本に持ち込んで無いみたい。
何しにわざわざ日本まで来たんだ、あの連中。


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